J20戦闘機(資料写真)
西側の情報機関は中国のステルス戦闘機J20の登場を予見できなかったことがあらゆる形跡からわかっている。中国がステルス戦闘機の開発を進めているという事実は知られていたが、J20の登場は予想よりはるかに早く、しかも予想を上回る性能だった。1月31日付の米航空専門誌「アビエーション・ウィーク」が伝えた。
J20は大型機といえる。全長は66フィート近くで、米ロッキードマーチン社が開発した全長62フィートのF22と変わらないが、機首から噴射ノズル部分の主体構造は明らかにF22より長い。J20の機内弾薬庫の設計はF22に近く、機体下部に位置する武器棚が大きいが、側面の棚は小さい。空対空ミサイルの搭載に使うと予測される。J20の登場前、空力形状に関して様々なうわさがあったが、最終的にはJ10のカナード式の空力形状を引継いだ。機尾に位置する2つの小さい、傾斜した、前方角に移動可能な垂尾が全体の設計に非常に適している。米国が現在保有するステルス戦闘機にはカナード式空力形状を採用したものはないが、統合打撃戦闘機の設計案に基づき建造を計画している航空機が採用しているのが水平尾翼が前にあるカナード式空力形状。J20とよく似たF22のほか、ダグラス社のX-36型無人機などがある。
ステルス機の設計案は普通ロッキードマーチン社のF22戦闘機やF35戦闘機の作り方に従い、インテークと機体上部の間に高いアングルを設計、フラットで傾斜のある側面が小さな半径のカーブを描いて平坦な底面につながるようになっている。上からみると、J20の機体全体は樹冠のようで、F22を連想させる。また、ロッキードマーチン社が開発したDSI(Diverterless Supersonic Inlet)を採用。DSI技術はこれまでにJ10B、JF17、スウェーデンのSAAB社が開発したJAS-39E/Fなどの戦闘機に応用されている。戦闘機の尾部からみると、J20はこれらのステルス戦闘機ではなく、外見的にはロシア・スホーイ社のT50に類似している。それには理由があり、F22と同じ、重量のある2次元ノズルの使用を回避するためだ。この方面でT50もJ20も、1986年以前からF22が登場するまでの間に進められた先進戦術戦闘機研究の理論を体現している。この理論に基づき、快速で飛行高度が高く、敏捷性のある航空機が後方からの攻撃に対する高い免疫力を手に入れた。