スーダンとエジプトで中国人建設労働者の拉致事件が相次いで起きた。両事件は一見別々の事件に見えるが、アフリカとアジアを中心に近年世界各地で頻発している中国人が被害者となる事件と結びつけると、中国の外交的保護が多くの新たな試練に直面していることが難なく見えてくる。(文:張歴歴・外交学院現代中国外交研究センター主任)
近年一部の国の政治勢力の間には、外国人を拉致することで政治的訴えを伝えようとする動きがある。1月29日にスーダンで起きた中国人労働者連れ去り事件は、現地の反政府武装勢力が中国人労働者の拉致によって政府に圧力を加え、政治目的を達成しようとした可能性も排除できない。1月30日にエジプトの反政府組織が中国人労働者を拘束した事件は、拘禁中の組織幹部の釈放を政府に迫ると共に、国際社会の関心を惹きつけようとしたものだった。
中国は外交的保護の問題を深く研究し、新たな時代の外交的保護の理念を形成すべきだ。同時に、中国外交の影響力を強化し、中国国民の自己保護を確立する方法についても検討し、中国の国益と国民の安全を最大限守るべきだ。
「人民網日本語版」2012年2月3日