第3に、中国は「先決条件をつけない包括的な政治対話」の即時開始を訴える。これは政治プロセスを始動できるかどうかのカギだ。「先決条件をつけない」とは、各方面が合意できさえすれば、あらゆる選択肢が可能という意味だ。中国はアサド政権に対し、変革や発展など人民の理にかなった訴えに真摯に耳を傾けるよう促す。だが中国は誰がシリアの政権を握るかについて、いかなる仮定もしていない。中国はシリアの政治制度について、シリア人民の選択を完全に尊重する。「包含的」とは、どの政治勢力も対話に参加すべきだという意味だ。どの政治勢力も排除しないことで初めて、政治対話はシリアの政治的現実を真に反映したものとなり、合意の可能性が生じる。
第4に、中国はシリア各方面がアラブ諸国、アラブ連盟と協力し、アラブ連盟の枠内で「政治的手段、平和的手段を通じて」問題を解決することを希望する。中国が安保理で拒否権を行使し、国連総会でも反対票を投じたのは、アラブ連盟の外交努力を否定するという意味ではない。反対に中国は暴力の即時停止、市民の的確な保護、人道支援の実施、軍事干渉の回避についてアラブ世界の主張を支持している。中国が反対したのは、アラブ連盟案の中の、西側に戦争発動の根拠として利用されるおそれのある部分だけだ。
第5に、中国は国連憲章の原則と国際関係の準則の厳格な遵守を訴える。どの国においても武力干渉による「政権交代」には反対だ。制裁が問題の適切な解決に資するとも思わない。国連憲章によれば、安保理に加盟国の内政について議論する機能はなく、どの国に対してであれ特定の政治勢力の政権掌握や退陣を決定する権力もない。加盟国の主権の独立、内政不干渉といった国連憲章の原則は、世界の小中国にとって安心して存続する拠り所であり、この原則が破られれば、国際社会に安らかな日は永遠に訪れないだろう。
中国の立場は完全にアラブ諸国とアラブ人民の根本的利益に立ったものであり、歴史の検証に耐えうるものだ。西側諸国が引き続き現在のように反体制派を全力で支持するのなら、最終的に大規模な内戦が勃発し、外国の武力干渉を招くおそれは避けられない。このような不幸な事態が生じた場合、誰が責任を負うべきなのかは、国際社会が自ずと適切な判断を下し、歴史が最終的な結論を下すだろう。
「人民網日本語版」2012年2月21日