1937年12月、中国を侵略した日本軍は南京陥落後、この世のものとは思われないほど残虐な「南京大虐殺」を行い、中国の市民と捕虜計30万人以上を残忍にも殺害した。だが現在もなお日本の政界や民間には、この歴史に対して否定的態度をとり、悔い改めようとせず、さらには「嘘」だとすら言う者が少なからずいる。名古屋市の河村たかし市長も20日、古い考えを再び持ち出し、「南京大虐殺」について「なかった」と主張した。人民日報傘下の国際情報紙・環球時報が伝えた。
産経新聞(20日付)によると、河村市長は20日、「南京大虐殺」に言及。1937年の「南京事件」(南京大虐殺に対する日本側の表現)について「通常の戦闘行為があったことは否定できず、残念なことだが、『南京事件』というのはあり得ない」と述べた。
河村市長の父は中国を侵略した日本軍の兵士として「南京大虐殺」に加わったうえ、1945年の戦争終結までずっと中国の領土で戦っていたという。河村市長は父から「中国で温かいもてなしを受けた」と聞いたことを理由に、「8年の戦争の間に、もし『南京事件』のようなことがあったのなら、中国人がなぜ(父の言葉のように)温かくもてなしてくれたのか理解できない」と発言。さらに「真相がずっと明らかにならないので、とげが刺さっているようなもので、双方の交流は一向にうまくいかない。この歴史に関するシンポジウムを南京で開くべきだ」とも主張した。
日本新華僑報は「日本の民間では長年来、『南京大虐殺』を明らかにするために証拠を探して南京を訪問する人が絶えないが、政界では依然、歴史に向き合って、すでに起きた事実を認めようとしない人がいる。河村氏は09年9月の名古屋市議会でもこの見解を述べたことがある。当時、河村氏は『戦闘行為は否定できないかもしれないが、『南京事件』に関しては誤って伝わった話ではないのか?』と指摘した」と報道。
さらに、名古屋がかつての中日「ピンポン外交」発祥地の1つであり、今年は中日国交正常化40周年でもあることに触れ「日本の政客がこの時期に『南京大虐殺はなかった』との話を再び持ち出すのは明らかに賢明でなく、時宜にもそぐわない」と指摘している。
「人民網日本語版」2012年2月21日