シリアは独立主権国家であり、その主権と領土保全は当然尊重されるべきだ。国連憲章は「主権の平等」原則を定めている。この原則によって、国の事はその国の人民のみが決定できることは明らかだ。もし外部の力が他国の指導者を決めることができ、それが慣例となれば、天下大乱を招くのではなかろうか。
この2つの問題は、21世紀においてどのような国際秩序を構築すべきかという問題に関わってくる。過去数世紀の間、国際秩序はいくつかの大国が決定し、小国の命運は大国の手に握られていた。こうした時代はすでに過ぎ去った。国連憲章が明確に定める主権の平等原則を、21世紀の国際秩序の一部としなければならない。
世界の多くの摩擦や利害衝突は軍事的または政治的に解決するほかない。軍事的解決とは強権政治を意味する。人類は21世紀に入った。再び強権政治を行うのは、多分受け入れられないだろう。1991年のソ連崩壊は二極構造が終結し、世界が新たな構造への過渡期に入ったことを示している。いわゆる構造とは、国際関係の相対的安定状態を指す。旧構造の終結は、古い均衡の打破を意味する。新たな構造へ向かうことは、新たな均衡の構築を意味する。このため過渡期全体において、世界では様々なパワーの競争、衝突、摩擦が次々に生じる。
シリア問題をめぐる論争も、こうした競争の現れだ。中国は紛争の平和的解決と各国の主権の平等、そして各国の内政はその国の人民が司ることを主張している。これらの原則は国連憲章と国際法の準則に合致する。これらの原則が的確に尊重、実施されて初めて、21世紀の世界はより平和で安定、繁栄したものとなる。
「人民網日本語版」2012年3月13日