カンボジアの首都プノンペンで行われていた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は4日、2日間の日程を終えて閉幕した。本来はASEAN統合プロセスについて議論するはずだったが、フィリピンが南中国海問題を強引に持ち出したため、ほぼ「南中国海紛争討論会」になってしまった。「新京報」が伝えた。
フィリピン外相は3日、会場入りすると南中国海紛争の問題に率先して言及。アキノ大統領はいわゆる新イニシアティブ「南中国海平和・自由・友情・協力区」を強く提唱。中国を排除して、まずASEAN諸国だけで「南中国海における行動規範(COC)」を定めた後に、中国と協議するよう求めた。
だがフィリピンの外交官によると、インドネシアはすでにCOC内に衝突解決制度を盛り込むことを受け入れない方針を表明。カンボジアを含む他の国々もこの提案に関心を示さず、全く取り合わない国もあったという。
首脳会議後に発表された声明に南中国海紛争への言及はほとんどなく、10年前に調印された「南中国海における関係国の行動宣言」の実行継続を再確認しただけだった。これについてメディアからは、フィリピンの提唱した新イニシアティブがすでに頓挫したことを意味するとの指摘が上がっている。
「人民網日本語版」2012年4月6日