最近、アジア太平洋地域に世界の注目が集まっている。朝鮮の衛星打ち上げは大波乱を巻き起こし、米比合同軍事演習、中露合同軍事演習が相次いで実施され、特に最近は黄岩島(スカボロー礁)事件が燻り続けて、一触即発の様相を呈している。(文:王新俊・軍事科学院国防政策研究センター研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中米両国防部長は7日、両軍の相互信頼関係の発展について4つの共通認識にいたった。新しいタイプの軍事関係構築の一応の骨組みとなり、前進の方向性を定めるものだ。これは世界の安全保障情勢と中米両軍のパワーバランスに関する両国・両軍首脳の最新の共通認識でもある。
今年後半にアデン湾海域で海賊対策合同軍事演習を実施するという中米両国の決定は特に言及の価値がある。共通認識を形成し、協力を繰り広げる。中米の軍事関係は正しい方向への一歩を踏み出した。これは新しいタイプの両軍関係の構築という長い道のりにおける重要な一歩でもある。われわれはこの合同軍事演習を通じて、中米が世界の平和・安定・共同繁栄の維持という長期的目標の協力においてさらに深く、さらに先へと進むことを希望する。
中国国防部長の前回の訪米からの9年間で、世界やアジア太平洋地域の情勢にも、中米両国・両軍の状況にも重大な変化が生じた。中国経済・社会は急速かつ平穏な発展を実現し、解放軍の近代化は長足の進歩を遂げ、中国は総合国力と国際的影響力を一段と強めた。その一方で世界の平和と発展は厳しく複雑な安全保障上の脅威に直面している。不拡散、地球の気候環境の急激な悪化、地域の動揺と衝突、国際テロといったグローバルな問題はかつてないほど複雑かつ深刻で、人類全体の命運に関わるものであり、各国の知恵と度量が試されている。