地元メディアは今回のサミットで雇用と成長が強調されたことは、主要工業国が危機対策の重心をすでに調整したことを示していると指摘する。だが世界経済に占めるG8の重みが以前とは大きく異なることを考えると、この声明が国際金融市場にとってどれだけの安心材料になるかは、まだ見極めが必要だ。
ギリシャ総選挙とフランス大統領選で、有権者は緊縮財政に反対の声を上げた。ユーロ圏は財政再建計画を継続できるのか、ギリシャはユーロ圏から離脱するのか。新たな不確定要因が生じれば、世界金融市場は再び動揺する。欧州債務危機の解決と世界経済の持続的回復の道はどちらなのか?政府支出を拡大して経済成長を刺激するのか、それとも緊縮政策を推し進めて財政の持続可能性を確保するのか?現時点では、G8の結論は前者に傾いている。
これまでキャンプ・デービッドはいくつもの重大な国際問題の解決に密接に関わってきた。だが現在、欧米、仏独間には欧州債務危機やアフガニスタンなどの問題で溝が多く、今回のG8サミットでは突破口を開く「キャンプ・デービッド効果」は生じなかった。より広い歴史的背景に目を向けると、現在は世界の多極化が急速に進行しており、冷戦時代を引きずるG8が新興国の参与なしに、世界経済、政治の重大な試練に対して具体的な成果を上げることはすでに難しくなっている。
「人民網日本語版」2012年5月22日