G20発足時からの加盟国である中国の胡錦涛国家主席は、これまでの各首脳会議に出席し、一連の重要談話を発表して中国政府の取り組みを紹介し、世界経済ガバナンスにおける中国の立場を明らかにするとともに、金融危機対策に関して重要な主張をし、毅然として冷静に世界金融危機に対処して経済成長を促すという中国の決断と責任を体現してきた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
■第1回ワシントンサミット(2008年11月)
胡主席は重要談話「一致協力して、困難な時期を共に乗り越える」を発表。金融危機発生の根本的原因について踏み込んで分析し、マクロ経済政策・コントロールの強化、国際金融規制・監督の深化を含むあらゆる必要な措置を講じて市場の信頼を速やかに回復し、金融危機の拡大を抑え込むよう国際社会に呼びかけた。また、国際金融改革について「公平、公正、あまねく広がる、秩序ある国際金融新秩序」という方針と「全面性、均衡性、漸進性、実効性の堅持」という原則を明確に提示。これに関して重点的に実施する改革措置として(1)国際金融規制・監督協力を強化し、国際規制・監督システムを整備(2)国際金融機関改革を推進し、途上国の代表性と発言権を強化(3)地域金融協力を奨励し、地域資金支援制度の役割を十分に発揮(4)国際通貨制度を整備し、その多元化を着実に推進----を打ち出した。
■第2回ロンドンサミット(2009年4月)
胡主席は重要談話「手を携えて協力し、同舟相救う」を発表。世界金融危機に対処するために中国の講じた効果的な措置を全面的に紹介し、中国政府の世界金融危機対策に対する見解と国際金融機関・システムの改革に対する立場を踏み込んで明らかにし、金融規制・監督の強化、保護主義への反対、途上国の利益の重視といった主張を重点的に強調した。胡主席は最も差し迫った課題として▽世界の経済成長の回復に全力を挙げ、深刻な後退に陥らないようにする▽様々な形の保護主義に反対し、開かれた自由な貿易・投資環境を守る▽関連する改革の推進を加速し、国際秩序を再建する----を指摘。これと同時に、国際金融システム改革を推進するうえでの指導的原則と実行可能な提言を打ち出し、参加各国から非常に重視された。
■第3回ピッツバーグサミット(2009年9月)
胡主席は重要談話「全力で成長を促進し、均衡ある発展を推進」を発表。確固不動として経済成長を刺激し、国際金融システム改革を推進し、世界経済の均衡ある発展を促進する方針を明確に示した。具体的主張としては▽各国は景気刺激計画を継続する▽主要準備通貨発行国は国内経済と国際経済に対する通貨政策の影響のバランスを図り、双方に配慮する▽様々な形の保護主義に断固反対し、阻止する▽新興産業の国際協力を力強く推進する▽科学技術の進歩に十分に依拠して世界の経済成長の内在的原動力を強化する----ことなどを訴えた。
■第4回トロントサミット(2010年6月)
胡主席は重要談話「一致協力して、未来を共に築く」を発表。世界経済の強固で持続可能かつ均衡ある成長を早期に実現するため、重要提案として(1)世界金融危機対策のための有効な枠組みから国際経済協力促進のための主要なプラットフォームへのG20の転換を促す(2)公平、公正、あまねく広がる、秩序ある新国際金融秩序の構築を加速する(3)開かれた自由なグローバル貿易体制の構築を促進する----を挙げた。
■第5回ソウルサミット(2010年11月)
胡主席は重要談話「引き続き努力を重ね、発展を共に促す」を発表。世界経済の強固で持続可能かつ均衡ある成長の促進という目標の実現に向けて(1)枠組みや制度を整備し、協力と発展を推進(2)貿易の開放を提唱し、協調的発展を促進(3)金融システムを整備し、安定的発展を促進(4)開発格差を縮小し、均衡ある発展を促進----することを提案した。
「人民網日本語版」2012年6月18日