「中国・アフリカ協力フォーラム」第5回閣僚級会議が今月19、20の両日、北京で開かれる。
中国とアフリカは地理的には遠く離れているが、友好交流の歴史は長い。中国は新中国の建国以来、アフリカの民族独立を支援し、友情を深めることを長期的な基本国策としてきた。中国のアフリカ援助隊は半世紀にわたり、アフリカの人々と手を携え、苦難を共にしてきた。うち数百人はアフリカの地に永眠している。
ここ十数年、中国とアフリカの関係は政治や経済、文化、教育、安全保障、文化、観光など幅広い分野に及び、広がりと深まりを急速に増している。こうした中、中国人にアフリカの「パイ」を横取りされたと感じた西側諸国の政治家やメディア、非政府組織(NGO)は、資源の略奪が目的と主張する「新植民地主義論」や「中国脅威論」をでっち上げた。
しかし実際には、アフリカ各国を訪れ、ここ十数年の変化を肌で感じ、そこに暮らす人々の心の声に耳を傾ければ、中国の経済発展が他国・地域にチャンスをもたらすと考える「中国チャンス論」こそアフリカ各界の声であることに気づく。
中国もアフリカで自然資源の開発を行っているが、西側諸国が半世紀にわたり行ってきた強奪のようなやり方とは違い、インフラの整備や投資にも取り組んでいるというのが、アフリカ各界の有識者の見方だ。欧米経済の不況は、欧米型成長モデルの行き詰まりを示しており、アフリカが今後発展するには、中国の腕をしっかりとつかみ、中国と共に前進することが不可欠となっている。アフリカの発展にとって中国からの援助は真新しいチャンスだが、もしかすると最後の歴史的チャンスかもしれない。アフリカはこのチャンスをしっかりとつかみ、逃すことがあってはならない。中国は発展パートナーとして、アフリカの無限の潜在力を解き放つ手助けができる。
対中関係を長年研究するアフリカの学者は、1990年代中ごろからアフリカ経済に現れた安定成長の傾向が、中国のここ十数年のアフリカ援助と正相関関係があることも認識している。米国の経済再建が思うようにいかず、欧州経済も財政危機の渦中にある中、アフリカ経済は年平均成長率約6%の維持やインフレ抑制、財政状況の改善など目覚しい成果を挙げているのだ。
アフリカ経済の飛躍的な進歩を背景に、10年前に「アフリカ悲観論」を唱えていた英誌エコノミストでさえ、2011年12月には「アフリカ台頭」を巻頭記事で取り上げた。記事は、過去10年で世界で最も急速に成長した10カ国のうち6カ国がアフリカにあり、アフリカの成長率は過去10年間のうち8年、日本を含む東アジアを上回ったと指摘した。アフリカ経済のこうした目覚しい成長を促す原動力となったのが、中国をはじめとする新興国のここ十数年の対アフリカ投資・貿易だ。
アフリカへの貧困扶助や発展支援は、グローバル化の時代にあっても中国とアフリカの友情を続かせる重要な基盤となっている。豊富な資源と巨大な市場を持つアフリカ大陸の発展には、中国が改革開放30年余りで培った資金や技術、ノウハウが必要となる。資源・市場と資金・技術・ノウハウを互いに提供し合う相互補完の協力関係こそ、中国とアフリカの互恵関係を固くつなぎ止めている絆にほかならない。(筆者 中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所アジア研究室主任、研究員 文萍為)
「人民網日本語版」2012年7月18日