米軍にとって新型輸送機オスプレイの日本への配備は、オバマ政権の軍事戦略の調整を貫徹する重要な一歩であり、東アジア、さらにはアジア太平洋地域全体を牽制する狙いがある。
■相次ぐ墜落事故 地元は強く反対
米誌タイムは2007年10月、オスプレイについて、安全でないうえ高額で「全く需要に応えられない」と批判した。今年4月22日、モロッコで行われた合同軍事演習「アフリカン・ライオン」で、米海兵隊のオスプレイ1機が墜落し、2人が死亡した。今年6月13日、米空軍のオスプレイ1機がフロリダ州で墜落し、5人が負傷した。
岩国市の福田良彦市長は20日、オスプレイが23日に搬入されると正式に伝えられると「非常に遺憾だ。政府は最大限努力して、オスプレイ関連手続きを中止してほしい」と述べた。岩国市議会の松本久次議長は20日、森本防衛相に請願書を手渡し、現在の状況ではオスプレイの岩国市搬入は「断じて認められない」と表明した。山口県の二井関成知事は20日、報道陣に「地元の考えに配慮することを政府に期待していたが、裏切られた」と述べた。岩国と沖縄を含む日本各地でオスプレイ配備に反対する声が高まりを見せている。共同通信によると22日、岩国市庁前で約1100人が抗議集会を開き、市内をデモ行進した。市民団体は23日に岩国基地周辺で海上デモを計画している。沖縄県でも8月5日にオスプレイ配備に反対する県民大会が行われる。
■配備にこだわる米軍 アジア太平洋牽制が狙い
今回米国が日本国民の反対を顧みず、オズプレイ配備に固執するのは、その軍事戦略の調整を貫徹する重要な一歩だからだ。現代戦争に求められる機動性と戦闘力を確保でき、東アジアさらにはアジア太平洋地域全体への牽制も強化できるのだ。米国務省高官が少し前に日本メディアに、オスプレイ日本配備の重要な目的の1つとして、釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「共同防衛」を挙げたことに外国は注意を払っている。共同通信によると米政府はオスプレイ配備は海兵隊の実力を著しく高め、海洋での活動を活発化させる中国と拮抗するうえで助けになると表明した。
日本メディアによると現在普天間に配備されているCH-46中型輸送ヘリはかつてベトナム戦争でも使用され、明らかに老朽化している。一方オスプレイを沖縄に配備すれば、東中国海、台湾、フィリピンなどをカバーできる。