宇宙船の開発は、中米間の宇宙分野の競争の最前線となっている。有翼宇宙船は通常の航空機と同じで滑走路から離陸するが、超音速巡航機(HCV)がマッハ5(時速6125キロ)で飛行するときのような機動力を持ち、米国のスペースシャトルなどの繰り返し使用できる運搬ロケットが貨物を軌道上に往復で運搬するような能力もある。
この分野は難しく、米国の宇宙計画も多くの問題に直面した。米国は8月14日、目標最高速度マッハ6のボーイング社製の無人極超音速機「X51ウェーブライダー」の飛行試験を行ったが、エンジン点火前に太平洋上に落下した。制御翼の設計上の問題が失敗の原因だという。
軌道試験機(OTV)「X-37」は2回の飛行試験に成功し、更に将来性があると言える。衛星打ち上げと関連技術の試験を実施するため垂直離陸、水平着陸型に設計された「X-37」は、地球低軌道(LEO)周回衛星の補修に使用される。
軌道試験機「X-37B」の2号機は2011年3月5日、フロリダ州ケープカナベラルの宇宙ロケット打ち上げ基地から地球低軌道に打ち上げられ、469日間宇宙空間を飛行した後、12年6月16日にカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地に着陸した。「X-37B」の初飛行は2010年4月22日に始まり、同年11月3日にヴァンデンバーグ空軍基地に無事着陸するまで225日間宇宙空間を飛行した。3回目の飛行試験は2012年に実施される予定だ。これまで、複数回運搬し、予定の軌道に沿って自動着陸できたのはソ連の「ブラン」だけで、同機は1988年11月15日に軌道飛行と自動着陸を成功させた。ボーイング社は、更に大型の軌道試験機「X-37C」の製造を計画しているという。