また、太平洋対岸の中国もシステム開発を進め、多額資金を投じ、宇宙事業を発展させている。2011年は中国の宇宙事業関係者にとって始まりとなる重要な1年だった。米国は多くの人工衛星を打ち上げ、中国も19回の打ち上げを行った。2011年9月29日、中国は米国に続き、初の宇宙実験室「天宮1号」を打ち上げた。12年6月18日には3人の中国人宇宙飛行士が乗った「神舟9号」の打ち上げ、「天宮1号」との国内初のランデブー・ドッキングに成功した。
6月24日、「神舟9号」と「天宮1号」の結合体の切り離しに成功。「天宮1号」は引き続き軌道上を飛行し、宇宙ステーション建設に向けた試験を行い、月探査「嫦娥計画」を遂行する。中国の宇宙ステーション建設に向けた取り組みは、世界、特に米国から注目されている。米国は最初の有人宇宙船の引退後、2011年7月21日に「アトランティス」が試験を行っただけで、最近はロシアの宇宙船を借りて宇宙ステーションに必要な物資を運搬している。
これらの成果の一部である中国の宇宙船分野の発展は予想以上に速い。中国は潜在的軍事力のある宇宙船や、数十の関連システムを研究・開発しているとの報道もある。2011年1月8日、11社の中国語メディアが宇宙船「神竜」の試験成功を一斉に報じた。「神竜」は航空機の大気圏出入りを検証する試験機である。中国の軍事マニアと海外メディアは、「神竜」の発展に強い興味を示している。「神竜」の飛行試験と米国の「X-37B」の帰還は同じ月に行われ、驚くことに中国のステルス戦闘機「殲20(J20)」の原型機の試験飛行の時期も近い。