日本が抱くそうした期待の中には大きな危険性が潜んでいる。米国は日本の手綱を緩めることで、中国との防衛線を築こうとした訳であるが、解放された日本が米国の脅威となり得ないか?と言うと、実はそうではないことはこれまでの事例からも明らかだ。数千人もの米軍兵士の命を奪った真珠湾攻撃を米国が忘れるはずがない。このため米国は自国のために、そしてアジア地域の安全のために、同盟国である日本をしっかり管理する必要がある。
日本に警笛を鳴らすのは中米両国の義務なのだ。米国の力を借りて釣魚島を中国から奪おうなどと思わせてはならない。第一に、日本にとってそれは不利だからだ。釣魚島問題において、日本が日米同盟を振りかざし米国を巻き込んだとしても、他の方面で、米国のより強大な協力を得られる機会を失う恐れがあるからだ。次に、米国が日本のために中国と軍事的衝突を起こすはずがない。アジア太平洋地域にはまだ、朝鮮半島、台湾海峡、南海など、米国が注視すべき地域があるからだ。日本は米国のアジア太平洋戦略の中核を担っているが、米国がアジア覇権を取り戻したいのは、別に日本が目的なのではない。また、その危険性の高さを挙げなければならない。中米日の軍事技術の水準は相当高く、もし戦争になったらどうなるか?ハリウッド映画でも表現することはできないだろう。その戦火にまみれた時でさえ、日本はなぜこんな局面になったのか理解できないのは愚弄の極みと言えよう。
中米両国ともこうした局面を望んではいない。釣魚島は複雑な外交関係に成り立つものである。大国に政治的利用されれば、いずれにも不利になってしまう。このため、釣魚島問題を中米関係悪化の火種とさせないことを、中米両国のコンセンサスにしなければならない。また、日本も気付くべきなのだ。タイトルを賭け王者と挑戦者がにらみ合う横で、判断を誤れば、自滅の道が待っているだけだ、ということを。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月5日