日本は中日間にかつて釣魚島係争棚上げの了解があったことを否定している。だが実際には1972年に中日国交正常化交渉と1978年の中日平和友好条約締結時に、周恩来総理が田中角栄首相に「今回は釣魚島については話さない」と直接表明し、田中首相も同意した。トウ小平副総理は園田直外相に直接「この件は保留して、次の世代の人に解決させよう」と明確に表明した。トウ氏は日本で記者の質問に答えた際も「次の世代の人はわれわれよりも聡明で、この問題の解決方法を見いだせるだろう」と公に表明した。こうした事実はいずれも、かつて「釣魚島係争は棚上げする」ことで両国政府間に了解が成立していたことを物語っている。この棚上げは双方にとってメリットがあり、中日協力の展開によって日本は中国の市場と原料を獲得し、中国も日本の技術と設備を獲得したのである。だが日本にはこの棚上げの打破を企む者が常におり、日本政府も陰に日向にこれを放任している。そして石原慎太郎はこうした極端な言動によって中日関係を破壊する政治屋なのだ。
日本政府は「国有化」によって釣魚島乗っ取りの法的根拠を強化できると考えている。だが実際には、日本による釣魚島の「国有化」は、中国に対していかなる効力も生じえない。不当に奪った財物が泥棒一家の誰の手に預けられていようと盗品であることに変わりはないのと同様、釣魚島を日本国内でどれだけ「転売」しようと不法占拠であることに変わりはないのである。だが日本政府による釣魚島「国有化」がもたらす事態は相当深刻だ。両国民間の対立が一層募り、交渉による問題解決の可能性が一段と小さくなり、釣魚島が原因で両国関係が制御不能になる危険性が高まる。そして挑発的行動を行うのが日本政府となれば、そのもたらす事態と破壊性はより深刻なものとなる。
日本の反中勢力は釣魚島問題の挑発によって中国の安定と発展を破壊できると思っている。だが中国が引き続き政治的に安定し、民族が団結し、経済が急速に発展し、実力が高まり続けた場合、日本政府は釣魚島問題でずっとおとなしくなる。反対に中国の政治の安定が破壊され、発展の環境が悪化し、発展のチャンスが失われ、総合的実力が下降した場合、日本政府の釣魚島問題における挑発行為とその度胸はずっと深刻化する。
日本が係争棚上げの原則をひとたび打破すれば、中国側ももはや拘束を受けないということは、日本政府もわかっているはずだ。日本側による釣魚島の現状打破の企ては、それがいかなる者、いかなる方法によるものであろうと、中国政府と中国人民の対応措置の強化と釣魚島に対する主権の伸張を招く。日本側の行為が行き過ぎれば行き過ぎるほど、中国側が釣魚島の主権を守る措置を講じるための条件が整う。中国の台頭の過程はいかなる者にも変えることができない。釣魚島問題において歴史は日本側になく、法理は日本側になく、時間も日本側にないのである。
「人民網日本語版」2012年9月10日