(二)案件処理の手続き簡素化
ここ数年来、訴訟案件は大幅に増加しており、人民法院は案件の性質、難易度を総合的に分析したうえで、案件を処理しにくい複雑な案件と処理しやすい簡易な案件に分け、案件の違いによって異なる審理の手続きを適用させ、案件の性質を審理の手続きと一致させ、裁判資源の配置の最適化と訴訟効率の向上を促すようになった。 刑事案件の簡易手続きの適用範囲を拡大する。2012年に改正された刑事訴訟法では、簡易手続きの適用範囲が、懲役3年以下の判決が下される可能性のある案件から、末端人民法院が管轄する刑事案件にまで拡大されている。 小額訴訟制度の改革を推し進める。当事者の合法的権益を速やかかつ公正に守るために、一部の末端人民法院で小額訴訟案件の迅速裁決を試行している。試行を行う法院は当事者双方の自由意志を前提として、事実がはっきりし、権利と義務が明確で、訴訟対象の金額が比較的少ない簡単な民事案件については、一審終審で行うとしている。試行の経験を真剣に総括したうえで、2012年に改正された民事訴訟法では、末端人民法院の審理する簡易な民事案件のうちで、訴訟対象額が各省・自治区・直轄市の前年度就業者平均年収の30%以下であれば、一審終審とすることと定め、立法面から小額訴訟の改革の成果を是認した。 行政案件の簡易な手続きを模索する。人民法院は、基本的な事実がはっきりしており、案件に及ぶ財産額が比較的少なく、争議がさほど重大ではない一審行政案件に対して、当事者双方の同意のもとに、独任審理(事件を一人で審理、決定する)を実施し、訴訟手続きを簡素化し、立件の日から45日以内に結審できるようにする。