だが、いかに紛争を避けるかについて、米国は特に慎重にならなければならない。日本に一切を委ねたり、日本政府に譲歩を強要したりすれば、同盟国である日本を弱体化させ、米国のアジア安全戦略が台無しになりかねないとの見方がある。
カーネギー国際平和基金のベテラン研究員ジェームズ・ショフ氏は、日本の同島しょ管轄権を、中国が阻害することを米国は容認することはできないという。「他人の管轄権を武力や威嚇だけで強引に奪い取ることはできない。どの国についても、そうした先例を作ってはならないが、同盟国に関してはなおさらだ」。
事実、米当局は非公式にではあるが、日本に譲歩を迫るようなことはしないと強調している。米当局は日本新政府による紛争の対処法について繰り返し称賛しており、日本政府からの要請の有無に関わらず、同島しょは日米安保条約の適用対象であると表明し続けている。だが、そうした表明のあとには、ほぼ毎回、戦争は誰の利益にもならないとの注意喚起が続く。
国防当局高官は「われわれの条約義務は重大だが、更に大きな目標は、平和と繁栄だ」と述べた。
ワシントンの国防アナリストによれば、問題の領域に送り込む航空機や艦船の数を減らすよう両国に同意させることで事態の沈静化を図るべく、双方に圧力をかけるというのが米国の戦略なのだという。米国は中国政府に偵察機の数を削減するよう静かに圧力をかけており、こうした外交努力は直近のアクシデントにより一段と強化されるだろう。
オバマ政権をおおむね支持するシンクタンク、新米国安全保障センターの研究員、イーリー・ラトナー氏は次のように語る。「領有権争いの解決策はすぐには見つからないだろう。米国が期待できるのは、せいぜい両国にこれ以上のアクシデントを生じさせないよう、その可能性をできるだけ低くすることぐらいだ」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月14日