中国政府は10日、国務院所属機構の改革・職能転換案を発表した。国務院は国家海洋局の再編を行い、海上の統一的な法執行を推進する。共同通信社は、「中国の釣魚島(日本名:尖閣諸島)付近の監視を強化する狙いは明らかであり、日本側はこれに対応する必要がある」と伝えた。同記事の内容は下記の通り。
防衛省防衛研究所が2012年2月に発表した「中国安全保障レポート」によると、海上保安庁は1000トン級以上の大型巡視船を計49隻保有しているが、国家海洋局に所属する海監総隊は27隻しか保有していない。
農業部漁業局漁政総隊(中国漁政)および公安部辺防管理局公安辺防海警総隊(中国海警)は今後海洋局に合併され、大型巡視船の数が38隻に増加する。これまで各自で担当していた海洋活動も、この統合により効率を高めていく。
国家海洋局はまた、2015年末までに36隻の中型・大型巡視船を建造する予定だ。これには1500トン級が7隻含まれ、海上保安庁の大型巡視船の数に追いつくことになる。
規模拡大の他に、国家海洋局の権限も強化される。中国の海監総隊はこれまで行政手段を用い、巡視船の電光掲示板や無線通信により中国が釣魚島の主権を持つことを主張していたが、統合後の「海警局」は警察権を与えられることになる。海警局は外国船舶の船員を犯罪者として拘留し、巡視船に機関銃などを搭載する可能性がある。
統合案はまた、重大海洋政策を巡り各部門の協調を図る、「国家海洋委員会」の設立を提案した。同委員会の具体的な業務は、国家海洋局が担当する。海洋局は今回、「部」には格上げされなかったが、その権限が大幅に強化されたという多くの意見があがっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月12日