中国の楊潔チ外交部長(外相)は9日、全国人民代表大会の開催期間に記者会見を開いた。楊部長は中日関係の悪化について、「釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題の根源は、日本の中国領に対する不法強奪・占拠によるものだ」と日本政府を非難したが、米国のアジア事務参与の問題について、「米国側も、中国側の利益と関心事を尊重するべきだ」と表明した。
産経新聞は3月10日、「日米同盟に対して、楊部長は原則的な問題について譲歩しないという強硬な外交姿勢を示した。中国側は、釣魚島問題および東南アジア周辺国との領土・領海問題の多くは、米国のアジア太平洋回帰戦略と関連していると見ている」と伝えた。
楊部長はまた、中国やロシアなどの新興市場国は、国際関係の民主化を促進する重要な力だと強調した。報道によると、楊部長はこれらの国家を、米国が主導する国際ルールに対抗する新たな支柱にしようとしている。中国の新たな国家主席は、ロシアやアフリカの三カ国の外遊を予定している。世界第二の経済規模を擁した中国は、政治面で「発展途上国」、「新興市場国」という2大基軸を柔軟に利用し、米国と駆け引きを行う。