「今回のアジア安全保障会議でも中国に関する話題が引き続き大部分の討論を主導する」。シンガポール国立大学アジア・グローバル化研究所の黄靖所長は本紙記者の取材に「これまでのアジア安全保障会議と比較すると今回の会議で南中国海問題は絶えず煽り立てる人はいるものの、主要な注目点とはなっていない。グエン・タン・ズン首相の基調演説も、ヘーゲル長官の演説も、日本の小野寺五典防衛相の演説も、南中国海問題を重点にしなかった」と指摘した。
シンガポール南洋理工大学RSISの胡逸山シニアフェローは本紙取材に「今回のアジア安全保障会議は中米首脳会談を前に行なわれるため、中米関係に特別な関心が集まっている。ヘーゲル長官は『中米両国首脳は両国がより緊密な両軍関係を構築する必要性をはっきりと意識している。両軍間の対話が徐々に改善していることに私は満足している』と述べた」と指摘した。
ヘーゲル長官は1日の演説で「太平洋の大国として米国はアジア太平洋地域で重大な利益を有している」と強調。昨年パネッタ前国防長官が表明した軍事面の「アジア太平洋リバランス」戦略には、国防政策の連続性をアジア太平洋の同盟国に示す意図があることを改めて指摘した。