しかし燃料タンクの品質と体積がどれほど改善され、その他の機器(電子対抗システムなど)を搭載するスペースがどれほど確保されたかは不明だ。同機は翼下に吊り下げる形で6発の核弾頭、もしくは通常弾頭の巡航ミサイルを搭載可能だが、空気抵抗を増やすため航続距離が大幅に短縮される。アップグレードの規模を考慮すると、同機がハワイを攻撃できる可能性は否定できない。少なくとも満載時でなければ実現できるだろう。
ロシア戦略・技術分析センター専門家であるワシリー・カーシェン氏は、「中米が台湾問題により地政学的な衝突に及んだ場合、解放軍の短距離弾道ミサイルの攻撃範囲に入る台湾の空港が攻撃を受けやすい。米軍は太平洋の島嶼の数少ない、距離の離れた空港を使用せざるを得ない。H-6Kが十分な航続距離を持てば、太平洋の島嶼の空港も、巡航ミサイルの集中砲撃を避けられなくなる。そうなった場合、米国は空母の艦載機の力に頼るしかなくなる。しかし空母の使用もまた、中国の陸地の強力な巡航ミサイル、現代的なディーゼル潜水艦による制限を受ける。ゆえに2020年末までに、中国空軍には相当数のH-6Kが配備されることになる。これは紛れもなく、中国にとって有利な、アジアの軍事パワーバランスを変える重要要因になるだろう」と指摘した。