中国・ASEAN戦略的パートナーシップ構築10周年を祝う中国・ASEAN特別外相会議が29日に北京で開かれる。世界経済の重心がアジアにシフトし、中国・ASEAN関係が着実に発展する中、双方関係のアップグレード版を築く歴史的チャンスが自ずと訪れている。(文:阮宗沢・中国国際問題研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
2003年に中国とASEANは「平和・繁栄志向の戦略的パートナーシップ」の構築を宣言。双方関係の発展が地域の平和・発展・協力にとって戦略的意義を持つことを強調した。この関係の全てを貫くものは相互尊重、対等、善隣友好、互恵・ウィンウィンであり、目覚ましい成果を上げている。世界金融危機およびポスト世界金融危機の時代の世界経済低迷などの厳しい試練に対処するにあたり、中国・ASEAN戦略的パートナーシップは試練に耐え抜き、強靱性を強化し、唯一良好な状況を現出させた。それだけでなく、次の10年間の双方関係のテイクオフに向けて強固な土台を固めた。
中国とASEANは地政学的戦略において互いを頼りとしている。双方は山水相連なる隣人である。中国の王毅外交部長(外相)が述べたように、中国はASEANと対話パートナーとの関係において歴史的記録を複数打ち立てた。中国は最初に東南アジア友好協力条約に署名し、最初にASEANと戦略的パートナーシップを構築し、最初にASEANと発展途上国間最大の自由貿易圏を構築した。中国は毎年ASEANと博覧会を開催している唯一の国でもある。双方は12の閣僚級会議制度を設置し、20余りの分野で互恵協力を展開している。まさしくこうしたまばゆい「最初」によって、中国はASEANの対外関係開拓において重要な後押し役を演じ、他の国々を次々に招き寄せたのである。中国は実際の行動によってASEAN共同体の構築を支持し、東アジア協力の御者としてのASEANの地位を支持している。
中国とASEANは互いを発展のチャンスとしている。ASEANにとって中国はすでに4年連続で最大の貿易パートナーであり、中国にとってASEANは第3の貿易パートナーだ。2012年に相互貿易額は4001億ドルにまで跳ね上がり、相互投資額は1000億ドルに達した。今年6月末までに、中国の対ASEAN直接投資は累計300億ドルに達し、中国の広大な市場需要もあって、ASEANの経済成長を大きく促した。双方間の人的往来は1500万人に達し、昨年は計17万人の留学生を互いに派遣した。