中国とASEANは命運を共にしている。アジア太平洋情勢は全体的に安定しているが、安全保障情勢はなお不安定化の要因を抱え、様々な非伝統的安全保障問題が地域の環境に影響を与え、各国の経済発展を制約し、民生の安定を破壊している。国境を越える問題、例えば環境汚染、エネルギー危機、公衆衛生上の事態、津波、地震、ハリケーン、洪水など甚大な災害が次々に生じ、各国が連携して対処することが差し迫って求められている。
協力とウィンウィンは現代世界の基調だ。目覚ましい成果と明るい未来を前に、利益の結びつきの緊密化と協力の深化を基礎に、中国とASEANは共に双方関係の格上げを呼びかけている。このためには思考を革新し、溝を適切に管理、コントロール、処理し、試練をチャンスに変える必要がある。
第1に、一段と市場を相互開放し、産業構造を調整し、製品貿易、サービス貿易、投資の自由化・円滑化水準を高め、中国・ASEAN自由貿易圏のアップグレード版を築く必要がある。地政学的優勢と強みによる相互補完を発揮し、アジアインフラ投融資基金を創設し、ネットワーク連結の資金調達面のボトルネックを解決し、地域経済の統合における中国・ASEAN関係のリーダーシップを揺るぎないものにする。同時に、域内包括的経済連携(RCEP)の妥結に力を入れる。
第2に、海上協力を強化し、中国・ASEAN海上協力基金の役割を効果的に発揮する。南中国海問題は最近日に日に妨害要素となっている。中国との2国間紛争をASEAN・中国間の紛争に拡大しようとする個別の国の企ては、ASEANの団結にマイナスであり、地域の平和・安定にもマイナスだ。今年初め、中国とブルネイは海上石油・天然ガス資源の共同探査・採掘で合意した。これは南中国海紛争を解決する1つの有益な試みとなるかもしれない。
第3に、安全保障分野で中国とASEANの協力を拡充し、地域安全保障協力体制を共同で構築する。もちろん、民間交流をたゆまず推進し、相互理解・意思疎通におけるシンクタンクやメディアの特殊な役割を十分に発揮し、今後10年の双方関係の格上げに向けて、より友好的な世論環境を創出する方針も堅持すべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月29日