国防工業は同時に、最も典型的な実体工業と重工業であり、これを民間資本に開放することで、社会全体の投資方向の調整を促す。あちこちに氾濫している不動産プロジェクトと比べ、大型艦船の建造は国家の実力を建設する正しいことである。中国重工の今回の株発行が歓迎されていることから、国家が力強い指導を行えば、民間資本の重要な実体経済に対する意欲が湧き出ることが分かる。
空母は中国人の愛国主義のシンボルとなっている。中国重工が今回発行したのは「空母株」とは呼べないが、両者のつながりは世論から見てすでに十分なものだ。愛国と関連していても、資本市場は損をする取引に手を出さないだろう。愛国と利益を株式市場で「すり合わせる」ことは、中国社会の新たな経験であり、その中から豊かな収穫を得ることができるだろう。
国防(その利益および各種問題を含む)は全国民に属するものである。国防工業は往々にして大国の国民経済の最も重要な部分だ。国民を主人公としてより多く直接参与させることで、国防の中身に微妙な変化をもたらす。国防と国民の密接なつながりは、遠く手の届かない概念や理屈ではなくなる。
中国の国防建設は一連の大プロジェクトに直面している。中国重工がこのスタートを上手く切り、より多くの中核的な国防プロジェクトを資本市場に導入し、中国軍事産業の新たな市場構造を切り開くことに期待したい。現代国防は納税者の金を使うだけでなく、同時に一般人の利益創出を手伝える。これは「強国」と「富民」を実現する一挙両得の良策であり、中国社会にとってまさに画期的な出来事である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月13日