日本の東京が2020年夏季五輪の開催権を勝ち取った。アジアで唯一、五輪を2回開催した都市となる。これは日本にとってだけでなく、アジアにとって誇りだ。だが現在の日本の政治、経済、環境を見ると、東京が素晴らしい大会の開催に成功するには、潜在的リスクが少なくない。人民日報海外版が伝えた。
■政治的妨害の程度は?
日本中が五輪招致成功の喜びに沸いている時に、日本右翼団体は新宿の韓国人居住区で反韓デモを行い、公然と「日韓断交」のスローガンを掲げ、「在日韓国人問題」を一挙に解決するよう政府を煽った。本来世界各国の平和的交流、公平な競争の促進を目指す五輪が、日本右翼勢力によって反韓、排外の好機、口実とされたことは全く正視に堪えない。
ある評論家は、日本右翼が東京五輪招致成功を日本の右傾化に対する国際社会の容認、さらには「称賛」と解釈していることを深く憂慮。日本政府が引き続き右翼勢力と思想や行動を一致させれば、2020年の東京五輪は恐らく1936年のナチス統治下のベルリン五輪の焼き直しになると懸念する声すらある。
日本を専門とする中国社会科学院日本研究所の王暁峰副所長は「日本外交にとって、五輪招致成功は国際的イメージを高め、国際的影響力を拡大する最も直接的で、容易な手段だ。日本は中国や韓国など周辺国に対する外交で引き続き強硬姿勢を強化し、余り大きな変化はないだろう。特に中日関係は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題のためにすでに膠着状態に陥っており、双方ともに行動の余地は限られている」と指摘。一方で「五輪招致成功によって日本政府は釣魚島問題で多少遠慮し、事態をコントロール可能な範囲内に保つようになるかもしれない。少なくとも五輪まで武装衝突は回避し、平和で戦争のない環境を築くだろう」とも述べた。
事実上、日本の五輪招致成功には2つの方向の発展の可能性がある。1つは平和的環境を築き、周辺国の神経を逆なでする行動を減らして、五輪が政治問題や軍事問題によって妨害されて色褪せることのないようにする可能性。もう1つは経済改善の機に乗じて軍拡を一段と進める可能性だ。後者の場合、東京五輪に重大な影響が生じるのは必至だ。