日本の安倍晋三首相は先般、カンボジアとラオス両国を訪問し、就任から11カ月、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟全10カ国への訪問を達成した。日本・共同通信は17日、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で日本に対する強硬姿勢を崩さない中国は今、周辺国家への影響力強化をに力を入れている。これを受け、安倍首相は一連の動きは、日本の存在感をアピールする狙いがあり、遅れを取り戻そうとしている。しかし、カンボジアとラオスはASEANの中でも「親中派」とされ、現在の中国の有利な局面を変えるのは難しく、今後、日中が相争う局面がどのような方向へ向かうのかを予測するのは難しい」と伝えている。
共同通信はまた、安倍首相が16日、カンボジアのフン・セン首相と首脳会談を行い、共同記者会見で、「美しい自然と世界遺産を持つカンボジアがとても好きである。日本は政府・民間一丸となって、カンボジアの新しい国家建設を支援する」と述べた。日本は対カンボジア援助では最大の援助供与国であり、これまで長きにわたり同国で大きな影響力を発揮してきた。しかし、中国が2010年に経済援助額で日本を抜いて首位に立った。安倍首相の発言が、カンボジアを再び自国の陣営に引き込むための「懐柔作戦」であることは間違いない。
これに対し、フン・セン首相は「今後、日本と総合的な戦略的パートナーシップを構築していきたい」と意欲を見せた。
政府の努力の成果が見えてきたと日本の世論は見ている。日本の外交筋によると、フン・セン首相は海洋安全保障分野での日本との協力強化に同意したという。日本・外務省関係者は「安全保障での協力関係強化でカンボジアと合意できたことは非常に喜ばしい。カンボジアの日本に対する強い期待感を感じた」と話している。