■国際的慣行に合致
防空識別圏制度は20世紀半ばに米国とカナダが他国に先駆けて創始したもので、多くの国々が続々と後に続いた。現在までにオーストラリア、ミャンマー、韓国、キューバ、フィンランド、ギリシャ、インド、アイスランド、イタリア、日本、リビア、パナマ、フィリピン、ドイツ、タイ、トルコ、ベトナムなど20数カ国が防空識別圏を設定。地理的範囲、制限を受ける航空機の種類、管制措置について各々具体的規定を設けている。例えば米国とカナダの防空識別圏は大西洋と太平洋に数百海里も延伸している。具体的事実を見ると、各国は防空識別圏の設定をいずれもある程度承認している。防空識別圏を設定していないが、相応の早期警戒体制を構築している国もある。防空識別圏に対する国際社会の承認、および東中国海周辺国がおしなべて防空識別圏を設定している現状に基づき、国際的慣行を参考に、中国が東中国海防空識別圏を設定するのは完全に正当で、必要で、理にかなったことだ。
■他国の合法的権益を損なわず
主権と領土保全の相互尊重は国際社会の一致して認める国際法の原則であり、中国が東中国海防空識別圏を設定する上で従った重要な点でもある。中国の東中国海防空識別圏の設定範囲は他国の領空に及ばず、周辺国の領空主権を十分に尊重している。防空識別圏は領空範囲の拡大ではなく、領空主権の勝手な拡大でもない。防空識別圏の有する権利と領空主権には本質的違いがある。防空識別圏内では通常、航空機に対して国籍、方位、飛行計画などの情報提供を要求するだけで、国際法にのっとった航空機の通過の自由への影響はない。中国の防空識別圏もこの原則に従っている。だが現在、防空識別圏を理由に他国の航空機の正常な通過の自由を妨害している国がある。これは事実上、防空識別圏の曲解、濫用だ。
東中国海上空は国際線の密集する重要区域だ。中国の東中国海防空識別圏設定は、いかなる特定の国や目標も念頭に置いておらず、各国の航空機に平等に適用され、東中国海上空の航空機の正常な飛行秩序の維持と飛行の安全の保証にプラスであり、軍事的な判断の誤りを減らし、空中での摩擦を回避するうえでプラスだ。中国は平和的発展の道を堅持し、国家の正当な権益を断固維持し、国際係争の対話と交渉を通じた平和的解決を堅持する。改革の全面的深化、総合国力のたゆまぬ向上に伴い、中国は地域の安全・安定維持、世界の平和・発展促進に一層の貢献を果たす。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月26日