石油製品品質を高め、排気ガス汚染を減らす
「現在のところ、煙霧の詳細な要因や成分についてはまだ論争があるが、比較的共通認識となっている見方は、都市の広範囲煙霧の主要原因の1つが自動車排気ガス汚染物質の大量排出だ、というものだ」。全国政協委員で中国科学院院士の李燦氏は3月5日、本誌記者の取材を受けた際、以上のように述べた。
李燦氏は、「全国大気質リアルタイム公表プラットフォームの都市PM2.5データによると、都市中心部のPM2.5は明らかに郊外より高い。これは、中国の都市大気汚染の主要な根本的原因が自動車排気ガスであることを示すものだ」と指摘した。
李克強総理は『政府活動報告』で、「今年は『黄標車』(排ガス基準をクリアしていないことを示す黄色ラベルが貼られている車)や旧型車を600万台廃棄し、全国で国家第4段階基準に適合する自動車用経由を供給する」とした。これについて李燦氏は、「クリーンな石油製品を使用することで、自動車排気ガス中の有害成分を根本から減らせる。政府はクリーンな石油製品(ガソリン、ディーゼルオイル)基準を引き上げ、各大手石油会社に対し超低硫化(窒素化)、オレフィン還元、芳香族化合物還元、異性化などクリーン石油製品生産技術を開発して押し広め、国際市場基準に合わせるよう強制的に要求する必要がある」との考えを示した。
昆泰酒店で行われた第12期全国政協第2回会議グループ討論で、本誌記者の取材を受ける全国政協委員中国伝媒大学教師の崔永元氏。(石剛 撮影)
「煙霧対策は乗用車ばかり言って運搬車をないがしろに見てはいけない」。全国政協委員中国伝媒大学教師の崔永元氏は3月5日、本誌記者の取材を受けた際、このように述べた。全国政協委員伝化集団董事長の徐冠巨氏はこの意見に深く同感する。徐冠巨氏は、「燃料分類に従うと、全国のディーゼル車が排出する窒素酸化物は自動車排出総量の70%近く、顆粒物質は90%以上になる。運搬車の排気ガス排出低減の煙霧問題対策に対する意義は大きい」と指摘した。