長いスパンで見ると、この170年の間に、中国にとっての「欧州の夢」が、欧州にとっての「中国の夢」へと、歴史的な大変革を遂げた。短いスパンで見ると、わずか6年の間に、欧州各国が競って会見するのはダライ・ラマへから中国の指導者へと変わり、欧州諸国の対中政策はまさに180度の大転換を見せた。(文:王義桅、中国人民大学国際関係学院教授、EU研究センター副センター長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
このほど行われた第7回中英政党対話の期間中、英国の高官らは「世界は変わった。以前、中国は欧州に開放を求めていたが、今は欧州が先を争って中国に対する開放を進めている」と感慨にふけった。この対話に参加するため、北京からロンドンに急ぎ戻った在中国英国大使館の外交官は、「我々にとっての中国の夢は、次の在中国大使になること」と語った。
欧州諸国は今、中国の3つのチャンスに期待している。
まず、中国の改革の全面的な深化というチャンスだ。第7回中英政党対話のテーマは「中英2020――改革、成長、繁栄のパートナーシップ」だった。対話の期間中、中国の代表団が持参した改革の全面的な深化の決定に関する英語版資料は、あっという間になくなった。英国側の代表は、上海自由貿易区の紹介資料を欲しがっており、出席者は皆、「英国は中国の改革のパートナーになりたいと考えている」と表明した。次の対話は英国側の要求どおり、上海で予定されている。
次に、中国の経済・社会のモデルチェンジというチャンス。対話の期間中、英国の保守党、 労働党、自民党の3大党員は相次いで「中国は今、輸出型経済から内需型経済への転換、非グリーン経済から低炭素経済へのモデルチェンジを実現しつつあり、これは中英の協力に大きなビジネスチャンスをもたらす」、「英国は医療、年金などソフト面でのインフラで優位にあり、中国経済・社会のモデルチェンジにも必要だ。このため、中国市場の将来性に期待している」などと表明した。彼らは競うようにして中国との協力に関する構想を打ち出した。