中国の石油リグ981が先月上旬、南中国海の西沙諸島の海域に姿を現すと、ベトナム国内の大規模な反中デモ、中越の船舶の対峙と衝突を引き起こし、日本の指導者から高圧的な批判を受けた。中国外交部は二刀流を使いこなし、南のベトナムに対して「国際的な信用レベルが低い」と批判し、東の日本に対して「火事場泥棒」と批判した。これに中比の島嶼を巡る係争が激化する可能性を加えると、中国が一国で日比越と戦う流れが形成されている。シンガポール華字紙『聯合早報』が伝えた。
軍事力の拡大、主権維持に自信を見せる
中国が一人で日比越に戦いを挑み、後ろ盾になっている米国をも無視するとは、数年前であれば想像もできなかったことだ。この自信は、経済力に支えられた軍事力の急成長に示されている。
中国海軍は近年、大型空母と大型艦載戦闘機、052D型ミサイル駆逐艦などの新型水上艦艇を配備しており、非大気依存推進(AIP)技術と遠距離ミサイルを搭載した通常動力潜水艦、新型原子力潜水艦を量産化している。中国は2020年までに、2つから3つの空母艦隊を保有することになる。空軍にはJ-11B、J-15、J-16、J-10Bなどの第3世代戦闘機が同時に配備され、先進的な戦闘機を配備するペースと規模はロシアを大きく上回るばかりか、米国を上回っている。また中国は第4世代戦闘機のJ-20とJ-31の研究開発に積極的に取り組んでおり、米国と並び、2機種の第4世代戦闘機を同時開発する世界で二つだけの国となった。
DF-41大陸間弾道ミサイル、JL-2潜水艦発射型弾道ミサイルが昨年初めてメディアによって報じられた。中国はこれにより、真の意味での核報復攻撃能力を持つことになった。中国はさらに超音速ミサイル、衛星攻撃兵器などの開発に取り組んでおり、かつ米国さえ持たない弾道ミサイルによる空母攻撃能力を初歩的に形成している。
米国との間にはまだ大きな開きがあるが、近年の「飛躍的な発展」により、中国の軍事力はアジア一となっている。中国の空軍・海軍による伝統的な第一列島線の突破は日常茶飯事化しており、南沙諸島の付近の海域も進出が容易になった。中国軍の関係者は、「米国の干渉がなければ、南中国海で中国と島嶼の係争を抱える国が力を合わせたとしても、南中国海艦隊にもかなわない」と予想した。
主権維持とリスク管理の間でバランスを見出すことが、中国の指導部が東中国海・南中国海の島嶼の係争を処理する上での、重点的な内容となっている。
共同開発、戦略的な知恵を持つ