▽米国:新型の大国関係の構築
中国と米国の国交樹立後、両国関係は幾度とない波を経験し、その関係の表れ方も様々に変化してきた。1997年、両国は共同声明を発表し、「建設的戦略パートナーシップ」の構築を打ち出した。ブッシュ大統領の就任後は、中国は「戦略的競争相手」とされた。2002年、両国関係は「建設的協力関係」と呼ばれることとなった。2011年の胡錦濤氏の訪米時には、「相互に尊重し互いに利益をもたらすウィンウィンの協力パートナーシップの建設に共同で努力する」という表現が再び共同宣言に盛り込まれた。
2010年代に入って、中米外交には「新型の大国関係」という概念がたびたび出現するようになった。習近平主席は昨年6月、オバマ大統領とカリフォルニア州のアネンバーグ氏旧邸宅で会談し、双方は両国関係を注視し、新型の大国関係の構築に努める必要があると呼びかけた。
宋氏によると、新型の大国関係が従来の大国関係と異なるのは、中米両国が、武力で世界秩序を変えようとする過去のやり方を回避し、対立と衝突のない、相互に尊重し合う、協力とウィンウィンの新型の大国関係の構築に努力し、対話を通じて双方の矛盾を解決していくことにある。
▽パキスタン:全天候型の戦略協力パートナー
中国によって「全天候型パートナー」と呼ばれるのはパキスタンだけだ。国交樹立63年にわたって、中国とパキスタンの両国は、政治的には平等で相互に信頼する関係を維持し、経済的には相互に利益のあるウィンウィンの関係を保ち、互いの核心的利益にかかわる問題については相互に理解し支援してきた。パキスタンとの友好関係を発展させることは、中国政府の一貫した方針であり、両国は、台湾問題やチベット問題、テロ対策問題、対米関係問題などで相互に支援し、息の合った協力を展開し、国家関係の模範とされてきた。
宋氏によると、「全天候型戦略協力パートナー」は、「全面的戦略協力パートナー」よりも高いレベルの友好関係と言える。「全天候型」とは、いかなる時にも、時代がいかに変化しようとも、両国は密切で友好な関係を保つことを意味する。 ▽ドイツ:全方位的戦略パートナー
今年3月、習近平主席とメルケル首相の会談後、中国とドイツは、「中独全方位的戦略パートナーシップ構築の共同声明」を発表した。同声明は、両国の今後の協力発展に対して10分野から全面的な計画を定めている。「全方位的戦略パートナーシップ」が結ばれているのは中国とドイツだけだ。
ドイツ大使を務めた梅兆栄氏によると、「全方位的」と「全面的」は外国語では同じ単語だが、中国では違う内容を持つ概念として理解されている。「全方位」は「全面」よりもさらに立体的で具体性に富んだもので、双方の協力はさらに多くの方向性を持つ。両国は今後、環境保護や省エネ、再生エネルギーの普及などでの協力を強化し、世界の貿易自由化と開放的な投資を推進し、財政金融分野での協調を強化していく計画だ。ドイツはさらに、中国の改革の全面的深化と「新四化」(新型の工業化・情報化・都市化・農業近代化)を支援する。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年7月28日