2012年版防衛白書でも「周辺の安全保障環境」が厳しさを増していることが強調されていた。白書は、中国の動きが地域の不安材料となっているとし、軍事費の透明度を高めるよう中国に名指しで要求。アナリストはこの白書について、日本は中国を安全保障・防衛の主要な標的としていると分析している。
2012年版白書はさらに、日米の「動的防衛協力」の実現を強調し、「防衛力の存在」から「防衛力の活用」へと重点を移行し、「即応性、機動性、柔軟性、持続性、多目的性」を備えた、先端技術と情報収集能力に基づく動的防衛力を構築するとしている。
1970年から日本政府が発表してきた防衛白書を振り返ると、日本の防衛政策の発展の道のりが見て取れる。その防衛のターゲットはロシアを中心としたものから中国を中心としたものへ、防衛政策は「アジアへの回帰」から「日米同盟の強化」へと、防衛原則は「専守防衛」から「主動・先制」へ、防衛思想は「最低限の防衛」から「動的防衛」へと変わってきた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年8月5日