アメリカ海軍大学校が開催中の第21回国際シーパワーシンポジウムは、中国海軍司令官の呉勝利氏が代表団を率いて出席したことで注目を集めている。米軍機が中国に近接偵察を仕掛けたことの余波が残る中、呉氏は「米国は、米国の偵察機を遮った中国の操縦士が『素人』のようだったと批判したが、これにはまったく根拠がない。米国が中国の偵察を続ければ、中国はこれを遮り続けるが、中米軍機衝突事件の再演を絶対に望まない」と述べた。グリーナート米海軍作戦部長は、「米中は偶発的な衝突を回避するため、取り組みを強化しなければならない」と発言した。
同シンポジウムには、100以上の国の海軍と沿岸警備隊の高官が出席する。18日付のシンガポール華字紙『聨合早報』は、「グリーナート氏は、呉氏が代表団を率いて同シンポジウムに出席したことで、素晴らしいシグナルを出したと述べた」と報じた。ロイター通信は、「米海軍高官は中国の同シンポジウムへの初参加を歓迎したが、両国の軍事交流は進展を実現しているが、危機を起こしうる事件の回避に努めなければならないと明確に表明した。米国は約1カ月前、海軍の偵察機が『中国沿海部の公海上空』を飛行中に、中国の戦闘機の操縦士から『危険な行為』を受けたことについて正式に抗議した」と報じた。
米軍機が中国に仕掛けた近接偵察が海外から注目を集める中、呉氏とグリーナート氏は会談を通じて意思疎通を行った。呉氏は、「米国は、米国の偵察機を遮った中国の操縦士が『素人』のようだったと批判したが、これにはまったく根拠がない」と指摘した。呉氏はインタビューに応じた際に、「米国が自国のパイロットの証言を信じるのも理解できる。しかし私も中国の操縦士の証言を信じて疑わない。私は米国に、その主張が客観的であることを示す証拠を出すよう求めたが、米国はそれを出せなかった。2枚の写真だけでは、何の説明にもならない。500メートルはおろか、5000メートルの距離でも、ズームアップすれば同じような写真を撮影できる」と述べた。