外国メディアによると、米国家安全保障局(NSA)元職員のエドワード・スノーデン氏はこのほど、中国に対するスパイ活動やサイバー攻撃というNSAの最高レベルの「核心的機密」活動を暴露した。これによって国際社会は、サイバー空間の警察を自任し続ける米国の本性をさらにはっきりと目の当たりにした。(文:張軍社・軍事問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
スノーデン氏の暴露した機密文書からは、NSAがネットを通じた遠隔監視・コントロールだけでなく、「ヒューミント」を通じた「ピンポイント攻撃」方法で他国の機密を入手してきたことが分かる。中国、韓国、ドイツを「ピンポイント攻撃」の主要ターゲットとし、中国など複数の国にスパイを派遣し、「物理的破壊」手段によってネット設備を破壊、またはこれに侵入し、北京には「ピンポイント攻撃前哨拠点」を設けさえしていた。「ピンポイント攻撃」要員は他国の米国大使館などに配備されており、いわゆる「前哨拠点」は、NSAの在外前線活動拠点でもある。
スノーデン氏による最新の暴露によって、米国が世界最大のサイバー機密窃取者、サイバー攻撃者であることが改めて裏付けられた。長年米国は自らが掌握するコア技術と全世界に広がるインターネット・インフラを頼りに、外国の政府、企業、個人に対して大規模、組織的、計画的なサイバー機密窃取・傍受活動を行ってきた。電子メール、通話記録、アドレス帳、ソーシャル・ネットワーク情報から携帯電話の位置情報まであらゆるものを窃取し、傍受してきた。米国はさらに「スタックスネット」ウイルスも開発し、民生用重要インフラに対する攻撃の火ぶたを切った。だが米国は自らの行為を反省することを拒み、国際社会に説明をしないだけでなく、反対にサイバー攻撃の被害者のふりをし、ハッカー攻撃を行っていると中国を誹謗したうえ、中国の軍人を「起訴」した。これによってサイバーセキュリティ問題における米国の横暴と虚偽が暴露された。
昨年スノーデン氏が「PRISMスキャンダル」を暴露して以降、米国は国際世論の圧力を前に、表面上は1年近くおとなしくすることを余儀なくされた。だが今年5月、米司法省は「米企業のコンピューターに侵入し、企業秘密を窃取した」との理由で、中国軍人5人に対する起訴を突然発表した。9月には米上院が、中国軍と関係のあるハッカーが2012~13年の間に、米企業複数の情報システムに少なくとも20回侵入を試みたとの報告を発表した。米国がこのように魂胆を抱いてデマを飛ばし、中傷するのは、世界の人々の前でネット上の「加害者」から「被害者」への役替えを果たし、「PRISMスキャンダル」以降失ったサイバー空間における道徳的優位性を回復する目的が大きい。