APEC第22回非公式首脳会議が、10日に北京で開幕する。同会議では、10年弱の沈黙を続けてきたアジア太平洋自由貿易区の期待感が高まり、自由貿易区の計画にばらつきが見られるアジア太平洋で、共同の利益を実現する最大公約数を求めることになる。
中国は13年ぶりにAPECのホスト国になった。今年の会議は「未来志向のアジア太平洋パートナーシップを共に構築」をテーマとし、地域経済一体化の推進を重要な議題とする。中国の王毅外相によると、北京APEC首脳会議は数多くの成果が予想され、アジア太平洋自由貿易区の交渉再開を含む新しい進展が実現される見通しだ。
アジア太平洋自由貿易区という構想は、2006年のベトナム・ハノイAPEC首脳会議で提唱された。しかしこれは紙面上にとどまり、実質的な進展はなかった。WTOによる多国間貿易枠組みの停滞により、アジア太平洋では近年、自由貿易区の計画が雨後の筍のように登場し、相互に交錯している。規則がそれぞれ異なる協定は、切っても切れない、もつれにもつれた「スパゲッティ・ボウル現象」を引き起こしている。各国が同じ方向を目指して歩むのか、それとも互いに遠ざかろうとするのか、一時的には判断しがたい。