中国国際問題研究院副院長の阮宗沢氏は、「アジア太平洋では経済関連のさまざまな枠組みが生まれており、積極的な力を発揮してはいるが、同時に競争と張力が生まれている。アジア太平洋自由貿易区の推進は協力を形成し、ばらつきのある発展を回避することが可能だ」と指摘した。 中国社会科学院学部委員の張薀嶺氏は、「アジア太平洋の最も貴重な発展の経験は、地域の開放だ。既存のTPP(環太平洋経済連携協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)などの協力枠組みは互いに関連性を持たず、市場の統一的な開放という基本的な経験と合致しない」と分析した。
金融危機後の時代において、アジア太平洋は世界経済の「けん引車」になっている。アジア太平洋の経済規模は世界の57%を、対外貿易額は世界の46%を占めている。統一的な自由貿易区の建設は、地域内のメンバーに莫大な利益をもたらす。地域内の商品・資本・人員・資源の自由かつ便利な流通により、毎年100億ドル以上の節約が可能だ。また統一的な自由貿易の規則は、地域内の投資と経営環境の判断を容易にする。 南開大学APEC研究センター副主任の劉晨陽氏は、中国新聞社の取材に応じた際に、「アジア太平洋自由貿易区という協力枠組みが構築されれば、規模・比率のいずれから見ても、世界最大の自由貿易区になる。これは世界貿易の発展に対して、時代を画する意義を持つ」と語った。