「解放軍報」に掲載された「設備サポート体系に付加製造技術導入」と題された記事が7日、中国のインターネットで注目を集めた。この記事によると、中国海軍のある戦艦には最近、損傷を受けた部品をすばやく修復できる作業用移動キャビンが設けられた。戦艦の戦闘力の急速な回復が可能となる。付加製造技術は3Dプリンター技術として知られ、設備製造業にはすでに大量に用いられ、設備サポートの効率を大きく高めている。
3Dプリンター、陸海空軍の設備サポートに導入へ
報道によると、中国海軍の駆逐艦隊のある戦艦は今年、ケーブルを巻く駆動歯車の歯が停泊中に突然断裂し、投錨ができなくなった。「緊急事態を受け、機電部門のメンテナンス人員は、損傷を受けた歯車をすぐに外し、船尾に設けられた移動キャビンで歯車の緊急修理を行った。損傷を受けた歯車はすばやく修復された」。報道によると、3Dプリンター技術が導入されたこのキャビンでは、部品のすばやい修復のほか、よく使われる部品や非標準の部品の製造も可能となる。
このキャビン内には、コンピューターや鋳造設備、成形機、アルミ合金材料、ステンレス鋼粉末など、付加製造に必要な材料がそろっている。コンピューターには部品の3Dデータが大量に保存され、このデータに基づいて成形機で損傷部品を急速に修復することができるほか、一部の簡単な部品もキャビン内で製造することができる。戦時の設備サポートの効率はこれで大きく高まる。記事によると、この技術はすでに、本部の評価・審査を通過し、陸海空軍の設備サポート体系に間もなく導入されることになっている。
環球時報の記者は昨年7月22日に解放軍装甲兵工程学院を訪れた際にも、プラズマ肉盛溶接技術を利用した成形機の備えられたキャビンを見学したが、これも損傷した部品をすばやく製造することができる3Dプリントの一種だった。金属部品のプリントが中心で、プリント速度は毎分80gから100g。だが砲身など制度の高い部品はまだ作れないという。