中国外交部(外務省)報道官は9日、王毅外交部長(外相)が近くパキスタンを公式訪問することを認めた。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国政府は一貫して中国とパキスタンは良き隣人、良き友人、良きパートナー、良き兄弟であり、外的環境の変化に左右されない戦略的パートナーだとしている。中国人の心の中でパキスタンは親友のイメージであり、中国のネットユーザーはパキスタンに、これにちなんだ親しい呼び名をつけている。このことから両国の友情の厚さがよく分る。この友情は時代の移り変わりによる試練に何度も耐え、国際環境の激変によっても影響を受けずにきており、国と国との関係の模範といえる。
昨年9月、両国は同月予定していた習近平国家主席のパキスタン公式訪問を、当時のパキスタン政局を考慮して延期することで合意した。習主席就任後初の南アジア歴訪にパキスタンが欠けたことは、双方にとって残念であったと言わざるを得ない。だが行程の変化は両国関係にいかなる悪影響ももたらさず、双方は共に習主席の早期のパキスタン訪問実現を切に期待し、外交ルートを通じて日程を調整している。これは両国が外的環境の変化に左右されない友人であることを別の側面から反映するものだ。
このほどパキスタン側は、今年3月下旬の盛大な建国記念軍事パレードに習主席を招待する予定であることを明らかにした。この情報が広く注目され、憶測を呼んだのは、米国のオバマ大統領がインドの建国記念軍事パレードに出席したばかりだからだ。パキスタンとインドの戦略的角逐の意味合いが濃いとする論説もあったが、実際にはこれは中国・パキスタン関係を過小評価したものであり、中印パ3カ国関係に対する見解もいささか一面的だ。もしパキスタン側が中国首脳を建国記念軍事パレードに招待したのなら、それは中国に対する礼遇であり、中国首脳が招待を受けて出席するのはパキスタンに対する尊重である。たとえこの面でのセッティングがなくとも、双方には礼遇と尊重をはっきりと示す他の形が完全にある。また、インドのモディ首相就任後、印パ双方は共に接触増加、関係改善という積極的なメッセージを相手国に伝え、中印も緊密な政治的往来と対話・協力を保ってきた。李克強総理と習主席が相次いでインドを訪問したほか、中印双方はモディ首相訪中に向けた準備をしている。中印パ3カ国は、ゼロサムゲームが双方に損失を与えるだけであり、国家間の溝によって実務協力が妨げられるべきではないことを認識していると言える。中印間、印パ間では対話を通じて溝を処理し、協力を通じて相互信頼を強化すべきであり、3カ国は共に協力の方向に向けて努力している。もちろんこの過程には時間が必要であり、曲折もあるだろう。だがこうした基本的な共通認識は存在するのだ。