プーチン大統領は数日前、関連合意に調印し、中露の天然ガスパイプラインの東ラインを通じて中国に天然ガスを供給することを認可したばかり。「エネルギー協力は中露の実務協力の重点となる」。張副総理によると、中露両国は今後、長期的な原油貿易協力と東ライン天然ガスプロジェクトを実施し、西ライン天然ガスプロジェクトについても積極的に交渉する。さらに石油・ガスの開発など上流での協力と天津の合弁製錬所など下流での協力を推進し、石炭や電力貿易、石炭・発電・輸送一体化などでの協力を拡大し、再生可能エネルギーやエネルギー設備・技術などの新たな協力プロジェクトも開拓する。
中国とロシアのエネルギー方面での協力の緊密化に伴い、ロシアはすでに、中国の主要なエネルギー輸入元となりつつある。双方が石油・天然ガス・石炭・電力などの分野で展開している一連の大プロジェクトでの協力も実質的な成果を上げている。
昨年5月に行われたアジア信頼醸成措置会議(CICA)上海サミット期間中、中国とロシアは、一連の重大協力プロジェクトについての合意を締結した。東ライン天然ガスプロジェクトの期間30年・金額4000億ドルの契約や300万トン液化天然ガスの契約も締結された。
両国の天然ガス協力は、東ラインと西ラインの双方で進められている。「西ライン天然ガスプロジェクト」の交渉はすでに最終段階に入っているが、これも巨大な「パイ」として注目されている。中国の王毅外交部長は今年のロシア訪問期間中、西ラインプロジェクトの協力合意が年内に締結されるとの見通しを示している。
張琳氏によると、ロシアはこれまで、欧州のエネルギー消費国に大きく依存していた。ここ2年の経済制裁は、ロシアにエネルギー戦略の再考を促している。
多くの分野での協力を継続
エネルギーのほかにも、中露の協力はさらに多くの分野にわたっている。
汪洋副総理はロゴージン副首相との会談で、「中国側はロシア側と引き続き努力し、原子力や航空・宇宙、衛星ナビゲーション、農産品貿易、越境インフラ建設、ロシアの極東開発などでの大型プロジェクトの協力を推進し、両国首脳の5月のモスクワ会談に向けて実務協力面での準備を進めることを希望する」と語った。