中国とロシアは相互活動をするたびに、全世界の注目を集める。外交部によると、習近平国家主席は7日から12日までカザフスタンとロシア、ベラルーシの3カ国を訪問する。中国経済網が伝えた。
ウクライナ危機とクリミア事件の影響を受け、米国とEUはここ数年、ロシアに対して度重なる制裁を課してきた。原油価格の低迷も加わって、ロシア経済は弱り目にたたり目の状態に陥っている。
中国社会科学院世界経済政治研究所の張琳・助理研究員は「毎日経済新聞」に対し、ロシアは経済制裁によって、「西向き」のエネルギー戦略を再考し、「東向き」のエネルギー輸出をさらに重視するだろうとの分析を示した。とりわけ中国とのエネルギー協力を強化し、エネルギー対外輸出の安全性を多元化によって促進する方向に向かうと見られる。
中露首脳は8日、モスクワで首脳サミットを開き、高速鉄道やインフラ、宇宙など多くの分野にかかわる一連の重要な協力文書に調印する見込みだ。「中国中鉄」(601390,SH)や「中国衛星」(600118,SH)などの関連株がこれによって利益を得るとの期待も高まっている。
ロシアの戦略、東へ移動 エネルギーが手始めに
「ロシアが戦略の重心を東に移すことはすでに留めることのできない流れとなっている」。社会科学院がこのほど発表した「アジア太平洋地区発展報告」はそう分析している。
習主席の訪問を前に、中露両国のハイレベルの相互活動はすでに集中的に行われ始めている。ロシアのドヴォルコヴィッチ副首相とロゴージン副首相は4月末、相次いで中国を訪れ、それぞれ中国国務院の張高麗・副総理と汪洋・副総理と会談し、エネルギーや宇宙などの分野について両国首脳のモスクワ会談に向けた準備を行った。