今年90歳と高齢のスコウクロフト氏はかつて米大統領補佐官(国家安全保障)を務めた。1971年にニクソン大統領訪中の先遣団の一員として、米高官として最も早く訪中した一人でもある。1989年、中米関係が困難を迎えている時、ブッシュ大統領の特使として2回訪中し、中米関係の転換に重要な影響を与えた。中米関係のスタートと発展の目撃者だといえる。中国の習近平国家主席の公式訪米を前に、スコウクロフト氏が人民日報の書面インタビューに応じた。人民日報が伝えた。
「2012年に習氏が国家副主席として訪米し、私は幸運にも会うことができた。習氏は非常によい聞き手で、問題解決に向けて各方面の意見を聞くことを重視していた。米中関係の重要性および双方がいかに協力してより公正な世界を創造するかについて、習氏は説得力ある演説を行った。米国民は習主席のこの一面に期待している」とスコウクロフト氏は語った。
国交樹立以来36年間、風雨を何度も経た中米関係は、次第に成熟へと向かっている。スコウクロフト氏は「米中協力には多くの優位性があり、アジア太平洋および世界の平和と安全に積極的に貢献することを両国共に望んでいる。当然、この願いを実現する道においては溝があり、緊張関係がもたらされることもある。だがもし米中がより強大な双方関係を打ち固め、協力して環境を整え、必要とする人々に人道支援を行い、テロを共同で取り締るとともに人類の生活の質を高めるために努力しようとするのなら、双方は溝をコントロールするだけでなく、利益を共有する分野で創造的に協力する必要もある」と指摘した。
中米関係は21世紀で最も重要な二国間関係の1つであり、その意義は二国間の範囲を超え、世界戦略的意義を備える。スコウクロフト氏は「世界の安全保障問題における米中両国の協力は全体として良好だ。米中はイランと朝鮮半島の非核化を望み、この目標に向けて共に努力している。平和維持および災害救助分野の協力を強化すべきだと双方共に考えている」と指摘。