核兵器と核戦争の脅威を徹底的に排除することは、全人類の共通の利益に合致し、世界各国の人々が長期的に追い求めてきた目標だ。しかし歴史によって形成された原因により、これは決して一挙に実現できることではない。核不拡散条約に基づき、▽核保有国は恒久的に核兵器を保有せず、先制攻撃に用いないと約束する▽核兵器の拡散を防止し、末梢と根本を兼ねて治める▽各国の原子力エネルギーの平和利用の権利を保障する▽核燃料の安全を保障する――という手順を踏まえる必要がある。
中国が保有する核兵器とミサイルは数が少なく、質が低い。核兵器を徹底的に廃棄するためには、まず米ロという核兵器の2大国から始める必要がある。両国が世界の9割の核兵器を把握しているからだ。条件が揃えば、すなわち米ロの核兵器の数と量が中国と同水準に達した時に、中国は当然ながら核兵器廃棄のメンバーに加わることができる。こうして初めて合理的かつ公平だ。中国は当時、空腹に耐えて核兵器を開発した。これは核兵器の独占を打破し、核の脅威に対応するためだ。中国は初の核実験と同時に、核兵器の廃絶が目的であると宣言し、かついかなる状況下でも核兵器を先に使用しないと宣言した。包括的核実験禁止条約が締結された1996年まで、米国は1000回以上、旧ソ連は900回以上の核実験を実施したが、中国は40数回のみだった。
中国は責任ある大国として、これまで通り核問題の約束を守り続ける。(筆者:翟徳泉 中国軍控・裁軍協会研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月4日