これは中比関係の現実的な論理に合致するようだが、実際には中国をひどく誤解している。中国と米国の、島礁の埋め立てを巡る駆け引きは熾烈ではないとは言えないが、両国海軍は合同演習を実施し、両軍の交流も深化している。それから中日関係だが、歴史問題は未解決で、現実的な係争も生じている。しかし中日関係は依然として前向きに発展している。中米・中日関係と比べると、中比関係の厄介事は、些細な曲折にすぎない。
中国から見ると、フィリピンの南中国海問題における立場は、お利口ではない子供のようだ。中国はわがままな子供を相手にしない。
そのためフィリピンは初めから、中国のAPEC首脳会議への態度を懸念する必要はない。首脳会議は、中国の核心的利益に関わる。また中国は今回の首脳会議で、北京APEC首脳会議の実施状況について報告しなければならない。首脳会議はフィリピンのメンツのために開かれるのではなく、すべての加盟国のための首脳会議だ。開催国がフィリピン、日本、あるいは米国であろうと、中国は積極的な参画者だ。
中国外交部は11月9日、習主席がトルコで20カ国・地域(G20)首脳会議に出席後、マニラのAPEC首脳会議に出席するという情報を発表した。
フィリピンは安心した。アキノ大統領は「完璧な開催国」になろうとしており、フィリピン外相も南中国海問題がAPECの会場で取り上げられることはないと念を押した。海洋について触れるとしても、南中国海ではなく太平洋だ。フィリピン政府も、南中国海の議題が衝突と問題を引き起こすことを理解しているようだ。
しかし開催国がフィリピンでなく、別の国ならばどうだったろうか。フィリピンはしつこく南中国海の議題を取り上げていただろうか?ともあれ、フィリピンがAPEC首脳会議という経済フォーラムにおいて、政治的な議題を取り上げないことは評価に値するだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月13日