習近平国家主席は先週、3大国営メディアを視察したが、そこからは中国政府がメディアの役割をいかに捉えているかを理解できる。習主席は昨年12月にヨハネスブルグで開かれた中国アフリカサミットで、中国は今後3年に渡り、アフリカのメディア従業者を3000人育成すると発表した。AFP通信は、アフリカの組織への研修と設備の提供は、ソフトパワーを示す中国の新たな手段だと報じた。
セネガル人記者のAmadou Sarra Ba氏は、経費全額免除で訪中した数百人のアフリカ人記者の一人だ。彼は昨年、「研修の旅」に加わり、万里の長城、中国国際広播電台の本社を訪問した。「研修では自治省や多党協力制度に関する書面の資料が配られた」
香港浸会大学教授の高敬文(Jean-Pierre Cabestan)氏は、アフリカ人記者を中国に招待することで、その中国に対する報道に影響を及ぼし、中国の外交・政治の力を高めることができると指摘した。
中国国家新聞出版広電総局局長の蔡赴朝氏は、「世界の世論構造において、西側メディアが長期に渡り主導権を握っており、発展途上国の利益の訴求が効果的に伝えられていなかった」と述べた。12月に北京で開かれたBRICSメディアサミットにおいて、このような声は反響を呼んだ。新華社の報道によると、ブラジル政府系メディア「EBC」の出席者は、「西側メディアの覇権の打破」を呼びかけた。
AFPの関連サイト「African Check」の編集長であるAssane Diagne氏は、2011年に中国で実習を行った。「セネガルにいながら、南アフリカ、ボコ・ハラム、マリ北部情勢について知ろうとするならば、旧植民者のメディアの情報を見なければならない。このような状況は、徹底的に覆す必要がある。中国はアフリカメディアに設備を提供し、技術者の育成に力を貸すことができる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月25日