中国の王毅外相は現地時間2月23日にワシントンで、ケリー米国務長官と中米外相会談を開いた。双方は国連安保理の対朝鮮制裁決議の早期採択で妥結した。両氏は「重要な進展」が得られたと表明した。しかし共同通信社は、会談の中で米国側が妥協を強いられた可能性があり、中国も南中国海問題で譲歩の動きを見せなかったと分析した。外相会談は、現在の中米関係を鮮明に反映した。
会談終了後、記者会見に姿を現したケリー長官と王外相の間には、親密な雰囲気がなかった。王外相は時おり左手をポケットに入れ、南中国海の「航行の自由」を呼びかけるケリー長官の発言を、厳粛な面持ちで聞いていた。
同日午前、米軍のハリス太平洋艦隊司令官は米上院軍事委員会の聴聞会で、中国が南中国海の関連島嶼などに地対空ミサイルを配備し、レーダー施設を建設していることに言及し、「中国は明らかに軍事基地化を進めており、これを否定するのは地球が丸いことを否定するようなものだ」と述べた。
王外相は記者会見で、これに毅然と反論した。王外相は、商船はなんの問題もなく航行しており、中国とASEAN諸国は南中国海の平和と安定を守る十分な能力を持つと表明した。
共同通信社は、「メモに追われるケリー長官と、矢継ぎ早に発言する王外相」と描写した。王外相は、米国の戦略爆撃機やミサイル駆逐艦などのハイテク兵器はほぼ毎日南中国海に姿を現しており、この問題に目を向けるべきだと述べた。これは軍事化を推進しているのは一体誰なのかと皮肉っているようだった。
中国外交部のウェブサイトによると、王外相は現地時間2月23日にワシントンでケリー長官と共同記者会見を開いた際に、朝鮮半島情勢について中国側の立場を説明した。王外相は、「中国は世界の核不拡散体制の維持を立脚点とし、朝鮮の核兵器・ミサイル開発計画と、朝鮮の核保有国としての地位を認めない。国連安保理の対朝鮮制裁決議の協議に重要な進展が見られており、近日中に合意に至る見通しだ。中国はこの決議が実行に移されれば、朝鮮の核兵器・ミサイル計画の推進を効果的に遅らせることができると確信している。しかし中国側は、安保理決議そのものは朝鮮半島の核問題を根本的に解決することはなく、関連国は最終的に対話と協議の軌道に戻らなければならないと再度強調する」と述べた。
王外相は、「今後2ヶ月間の半島情勢に注目する必要がある。各種不安定要素が、半島に集まり重なる可能性がある。中国は各国と連絡を維持し、対話を強化し、緊張情勢のエスカレートを共に回避する。特に誤解・誤判断を回避し、コントロールの喪失による情勢悪化を防がなければならない。中国は各国に対して、半島情勢の緊張を激化させる行動に出ないよう再度呼びかける」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月25日