米FOXニュースは、永興島へのJ-11戦闘機の配備などの動きが「米国の国防長官のフィリピン訪問前」に起きたことを強調し、「緊張情勢の激化が予想される」とした。また中国がこれまで、一部の外交の大きな動きに合わせ、南中国海に武力を配備してきたとほのめかした。
復旦大学米国研究所の張家棟教授は環球時報の記者に対して、「表面的にはFOXニュースというメディアが伝えたスクープだが、米国の関連部門が意図的に情報をリークし、現在の政治・与論・外交の需要を満たした可能性の方が高いと思われる。米国のカーター国防長官がフィリピンを訪問し、南中国海の仲裁の裁定が下されようとしている。このタイミングで本件を伝えることで、米国の同地域における軍事化の印象を薄めることができる。米国は中国に対応するため、やむなく反応したように見える」と指摘した。
張氏は、「永興島は西沙諸島であり、南沙諸島ではない。中国は70年代にも軍艦を配備しているが、もし今になり兵器を配備したならば、これは更新に過ぎない。米国は意図的に西沙諸島と南沙諸島の境界線を曖昧にしている。多くの局外者はその差を理解できず、いずれも南中国海にあることしか知らない。これは米国の意図的な輿論戦と煙幕弾だ」と強調した。
米国は最近、中国を対象とする南中国海の輿論戦の気運を高めている。ケリー国務長官は12日、米ロサンゼルスのシンクタンクで講演した際に、中国が南中国海の島の領有権を「一方的に主張している」と批判した。米議会は13日、中国の南中国海における島礁の建設が、「環境破壊」に当たると報告した。ワシントン・ポストも12日、「南中国海の武装中国漁師」を再び蒸し返し、米比合同演習に合理的な説明を加えたように見える。報道によると、漁師は中国の南中国海における「切り札」になっており、中国政府は彼らを利用し「目に見えない戦争」を発動しているという。
FOXニュースは、「中国の最近の同地域における挑発行為は、米比国防長官による会談の議題の一つになりそうだ」と伝えた。
マケイン上院軍事委員長は12日、フィナンシャル・タイムズの寄稿文の中で、「米国の南中国海における行動は、象徴的なものに留まるべきではない」とした上で、フィリピンを訪問するカーター国防長官に対して「フィリピンが米国と条約を締結した同盟国であることを強調する」よう求めた。マケイン氏はさらに、「オバマ政権はフィリピンやその他の地域の同盟国と共に、国際法に違反する中国をけん制する戦略づくりに着手するべきだ」と主張した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月16日