米国防総省は現地時間25日、「航行の自由」作戦に関する2015年度の年次報告書を発表した。米軍が昨年、中国、インド、インドネシアなど13カ国・地域を対象に実施した「航行の自由」作戦を総括し、中国に対する行動は、中国の排他的経済水域の上空に対する管轄権、防空識別圏を設定し飛行を制限しようとする動きをけん制するためだとした。海軍軍事学術研究所研究員の張軍社氏は26日、「いわゆる航行の自由作戦は、米国独自の基準であり、沿岸国の安全を著しく脅かしている。これは米国の傲慢と覇道を反映している」と指摘した。
米国メディアの26日の報道によると、同報告書は対中国作戦について、「米国は中国が主権を主張する南中国海の係争中の島礁付近に、駆逐艦と軍機を派遣した。中国が主権を理由に、これらの海域における航行と飛行の自由を制限しようとする意図をけん制した」と記述した。
中国外交部の華春瑩報道官は26日、「いわゆる航行の自由作戦は、米国が海と空の勢力を強め、武力により一方的な主張を推進する手段に過ぎない。これは海の秩序を支配し、国際法を都合よく利用する米国の覇権的な論理、米国は例外という発想を十分に反映している」と発言した。
張氏は、「国連海洋法条約によると、他国の無害通航は認められているが、事前に報告する必要がある。しかし米国は航行の自由という旗印を掲げながら、報告してこなかった。中国に対してだけではなく、その他の同盟国に対してもそうだ。これは重大な挑発であり、世界の海洋の安全・安定に資することはまったくない」と指摘した。
米国防総省のウェブサイトによると、同省は毎年この「航行の自由」に関する報告書を発表し、「航行の自由」作戦および米軍によるその他の関連する行動を総括するという。張氏は、「同報告書は以前、議会の年次報告書に盛り込まれていたが、その後単独で発表されるようになった。南中国海情勢の緊張はエスカレートを続けているが、米国がこの時期に意図的に自国の行為を弁護したのは、南中国海問題に巻き込まれる合理性を高め、南中国海問題に介入する法的根拠を手にするためだ。しかしこれはまったく成り立たない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月27日