「力強い国際貿易・投資」という議題について、G20は昨年ナイロビで開催された世界貿易機関(WTO)閣僚会議の成果を踏まえた上で、多国間貿易体制を維持し、国際貿易成長戦略を制定する。貿易金融を促進し、貿易コストを引き下げ、開発途上国による国際バリューチェーンの能力建設への参与を促す。国際投資制度指導原則の制定を促し、国際投資ガバナンスの空白を補う。G20による低所得国への投資促進を提案し、低所得国の投資環境と魅力を強化する。
中国は議題に力を入れるほか、開発途上国のG20における地位向上を重視している。史上最多の開発途上国を通年の会議に招待し、一連の対話を実施した。筆者は今年4月、G20事業の中国側の担当者として、国連による同アジェンダの実施に関するハイクラス弁論会に出席し、77カ国グループ(G77)、特別な苦境に置かれた国、グローバルガバナンスグループ、イギリス連邦、仏語圏諸国と対話を行った。モーエンス・リュッケトフト国連総会議長はG20杭州サミットの準備を特に重視しており、筆者を中国側の代表者として、国連総会議長の小規模な朝食会に招待した。筆者は各国、特に開発途上国の代表者とG20の準備の進捗状況、同アジェンダの取り組みについて率直に意見を交わした。中国はさらにボアオ・アジアフォーラム、アフリカ連合、国連アジア太平洋経済社会委員会などの場を利用し、G20加盟国と各国の意思疎通を強化した。こうしてG20の議論をより全面的かつバランスの取れた内容とし、より広範な国際開発協力に向け有益な貢献を成し遂げた。
上述した各国、特に開発途上国との意思疎通において、筆者はG20が単なる20カ国によるG20ではなく、より多くの開発途上国、さらには全世界のG20であると深く実感した。G20は多くの議題を取り扱い、各国が関心を寄せる問題を網羅する。G20の成果は重要で、各国の着実な利益に関わる。G20の責任は重大で、世界経済の活力を取り戻すという栄えある使命を担う。そのため杭州サミットのドアは、常に世界に向け開かれている。杭州サミットは人々の知恵と力を集めるサミットになる。開発途上国はその中で常に、独特な目立つ位置を占める。
G20は今年、開発問題に焦点を絞ることで、杭州サミットに異彩を放たせ、より力強い合図を出させ、より深い影響を生じさせることだろう。G20首脳が今年9月、西湖に集い議論し、世界発展のコンセンサスの実行を促し、世界経済成長に新たな原動力を注ぐことに期待しよう。(筆者・李保東 G20事務中国担当者、中国外交部副部長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月24日