南中国海の仲裁案、国際法を損ねる=米国の法律専門家

南中国海の仲裁案、国際法を損ねる=米国の法律専門家。 元米国務省リーガルアドバイザー、スタンフォード大学フーバー研究所上席研究員のエイブラハム・ソファー氏(78)は26日…

タグ: 南中国海の仲裁案 米国の法律専門家

発信時間: 2016-06-29 11:28:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

元米国務省リーガルアドバイザー、スタンフォード大学フーバー研究所上席研究員のエイブラハム・ソファー氏(78)は26日、「一部の国はフィリピンが一方的に申し立てた、南中国海の強制的な仲裁を支持している。このようなやり方は関連国の実益を著しく侵害し、国際法をも損ねる。米国は中国が主張する正しい軌道に戻り、フィリピンを協議のテーブルにつかせるため建設的な力を発揮するべきだ」と述べた。

ソファー氏はオランダ・ハーグで開催された、南中国海の仲裁案および国際法治シンポジウムにおいて、「国連海洋法条約(以下、同条約)によると、仲裁裁判所は主権問題について裁決を下すことはできない。中国も同条約の規定に基づき、領海線などの問題を強制的な仲裁から排除している。そのため中国が、フィリピンが一方的に申し立てた仲裁に参加しないことには、確かな法的根拠がある。国際条約は主権国が、外交ルートによる係争解決手段を保留することを認めている。国際司法・仲裁機関が主権国の合法的な行為を受け入れなければ、国際条約を損ねることになる」と指摘した。

ソファー氏はかつてコロンビア大学法学部で教鞭を執り、1985−90年に米国務省リーガルアドバイザーに就任。現在はスタンフォード大学フーバー研究所上席研究員。

ソファー氏は米国とカナダの領土係争の解決を例とし、「国際的な慣例に基づいても、国際関係の現状を見ても、南中国海の係争に類似する国際係争に、解決の期限を設けるべきではない。米国とカナダは1812年の戦争以降、国境付近10カ所で係争中だ。うち一部は領海線をめぐる係争となっている。両国が仲裁申し立てに同意したのは2ヶ所のみ。その他の係争は複雑な政治・経済的関心事に関わるため、両国は最適の解決策と時期を慎重に考慮し、どちらか側に悪影響が生じることを避けざるを得なかった」と説明した。

ソファー氏は、「中国は陸上の国境問題の圧倒的多数を、段階的かつ効果的に解決している。領海をめぐる係争解決を目指し、各国が長期的な交渉によりまとめた『南中国海各方行為宣言』に、希望がないわけではない。関連国はさらなる努力により、主権問題を棚上げし、共同発展を可能とすることができる。しかしフィリピンは愚かにも一方的に仲裁を申し立て、これにより中国の立場を変えようとした。これは単なる妄想だ」と述べた。

ソファー氏は元米国務省リーガルアドバイザー7名と連名で、米上院外交委員会に書簡を送り、慎重に同条約への加盟を批准するよう促した。ソファー氏は、「米国の批准の重要な障害物となっているのは、同条約の枠組み内で、裁判所が国際条約そのものの制限と主権国の意志を無視し、越権行為により管轄権問題について裁決を下すという懸念だ。南中国海の仲裁裁判は、フィリピンが人為的にこしらえた問題に対して管轄権を持つと宣言した。これはすでに国際司法および仲裁機関の信頼を損ねている。さらに主権・国家安全に影響しうる裁決を下せば、これは司法急進主義の新たな証拠になり、米国に同条約の批准を訴える努力に深刻な影響が及ぶだろう」と懸念した。

ソファー氏は最後に、「米国はこれまでも、そして今後もフィリピンのように係争を国際裁判所の仲裁に申し立てることはないが、最近になり中国は国際裁判所の裁決を順守すべきだと繰り返し、いわゆる『法治』を支持している。この明らかに誠意に欠ける仲裁を支持するよりも、米国はフィリピンに『偽りの勝利』を求めるのを停止するよう促し、この仲裁に因る損失を阻止するべきだ。米国は中国が主張する正しい軌道に戻り、フィリピンを協議のテーブルにつかせるため建設的な力を発揮するべきだ」と強調した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月29日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで
 

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。