南中国海仲裁案、「勝者」に喜びはなくただ失望する

南中国海仲裁案、「勝者」に喜びはなくただ失望する。

タグ: 南中国海 仲裁

発信時間: 2016-07-13 14:10:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

ハーグ・仲裁裁判所は、フィリピンの「完勝」という裁決を出した。中国側が主張する九段線と歴史的権利は国際法の根拠を持たないとされ、太平島を含む南沙の島礁が岩礁とされた。こうなれば、中国が主張できる海域の面積が大幅に減少する。

「勝者」には何ができるか?フィリピンが歓迎し、日本が支持し、米国が承認するだけで、中国に対しては依然として1枚の紙くずだ。中国の「受け入れず、参与せず、認めず、履行しない」という立場は、最初から最後まで一貫しており明確だ。

南中国海の裁決は、すでに危険な結果を生んでいる。上述した立場は、中国が主権と海洋権益の保護で微塵たりとも譲歩しないばかりか、自国の核心的利益を守るためさらに策を講じることを決めている。先ほどの南中国海の軍事演習は、南中国海の主権を守る幕開けに過ぎず、将来的にはさらなる安全保障措置を活用し、南中国海に防空識別圏を設定する可能性も否定できない。

この茶番劇の「勝者」は一時的に得意になれるかもしれないが、その後には落胆しいたたまれない思いをすることだろう。米国は国連海洋法条約に加盟していない、かつてハーグ・仲裁裁判所の判決を拒否した国だ。その米国がいわゆる「条約」と裁決を利用し中国をけん制し批判するならば、理にかなわないばかりかこの上なく皮肉だ。また中米の南中国海地域における駆け引きは、新たな転換点を迎える。中国は米国の艦船と航空機による正常な商業目的の航行と飛行の自由を阻止しないかもしれないが、米国の空母艦隊と軍機が中国の島礁に接近し挑発・武力誇示をすることを絶対に認めない。

中国は軽率に武力行使を口にしない。米国もフィリピンのために開戦することはないだろう。しかし南中国海地域の緊張情勢は、米国の南中国海における戦略的コストを拡大し、米国に「子分たち」のための苦しい負担を強いることだろう。さもなければ、フィリピンを含む「子分たち」は、米国というボスを認めないだろう。

最も落胆するのは、フィリピン政府かもしれない。フィリピン政府は裁決結果に歓迎の意を表したが、ドゥテルテ政権は前政権が残した厄介な問題を引き継いだことになる。柔軟な態度により、南中国海問題に関する中国との二国間協議を目指すドゥテルテ政権は現在、内政と外交の二重の苦しみを受けている。前政権が残した裁決という遺産、特に国内のポピュリズムの圧力を受け、ドゥテルテ氏はどれほど嫌であっても歓迎を表さざるを得ない。中国政府の上述した態度に対しても、ドゥテルテ氏はどうすることもできない。

南中国海裁決案の「こま結び」を解くには、2つの手段しかない。まずは米国が言行を慎み、南中国海で火を煽らず、建設的な態度で中米の利益のバランスがとれる新型大国関係を構築することだ。次にドゥテルテ大統領が個性によって理性を手にし、中比の南中国海の主権をめぐる係争を、二国間協議の軌道上に戻すことだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月13日

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